CASIO SXC-1 を遊び倒すための情報
CASIO のポータブル・スタンドアローン・サンプラー SXC-1 を遊び倒すための非公式まとめノート。 公式マニュアル(スタートアップガイド/取扱説明書/MIDI実装/ガイドブック)を読み込み、実機で役立つ操作・仕様・遊び方を整理しています。
⚠️ 本リポジトリは個人がまとめた非公式情報です。CASIO とは無関係です。正確・最新の情報は必ず公式情報を確認してください。
- 発売日: 2026年5月28日(日本)
- 価格: 39,930円(税込)
- 本体ファームウェア: Ver.1.1.1(MIDI 1.0 対応)
- コンセプト: ゲーム機ライクなデザインの手のひらサイズ・サンプラー。名機 SK-1 の精神的後継と評される。
目次
- 基本スペック
- 各部の名称
- 用語:バンクとシーケンス
- 基本操作フロー
- サンプリング(録音)
- シーケンサー
- エフェクト
- 音の編集(EDITモード)
- システム設定
- MIDI(USB-MIDI)
- 遊び倒すアイデア
- 実践レシピ(サンプリング遊び)
- 既知の制約・注意点
- トラブルシューティング
- 公式リンク
- 関連商品(Shop)
基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種別 | ポータブル・スタンドアローン・サンプラー/シーケンサー |
| 同時発音数 | 16ボイス |
| サンプリング形式 | 16bit / 48kHz リニア(WAV) |
| 内蔵ストレージ | 64GB |
| 最大サンプル時間 | 合計 約15分 |
| バンク数 | 最大80バンク(各16パッド=最大1,280音) |
| シーケンス | 最大50パターン(各最大8小節) |
| パッド | 4×4 = 16個(バックライト色を音ごとに変更可) |
| ディスプレイ | 1.3インチ OLED |
| 操作系 | 十字ボタン+A/B/C/Dボタン+FX1/FX2ダイヤル+機能ボタン群 |
| 内蔵音源 | プリセット80以上のサンプルバンク |
| 電源 | 単4×4(eneloop推奨・約2時間)/USB-AC給電 |
| 重量 | 約315g(電池含まず) |
| スピーカー/マイク | 内蔵(単一指向性マイク) |
| MIDI | USB-MIDI(IN/OUT・Control Change)対応。※5ピンDIN端子は無し |
| 専用アプリ | CASIO Sampler App(スマホ、USB-C接続) |
内蔵プリセット音源(名機サウンド)
- SK-1 / SK-5(往年のサンプリングキーボード)
- CZ-101(フェーズディストーション・シンセ)
- MT-40(“Sleng Teng” リディムで有名)
プリセットはループ音源(オレンジ/パープルのパッド)とワンショット音源(イエロー/ブルーのパッド)に色分けして登録されている。ループは Beat Sync でマスターテンポに自動同期できる。
各部の名称
| 部位 | 役割 |
|---|---|
| OLEDディスプレイ | 波形・設定など各種情報表示 |
| 十字ボタン | メニュー選択・値の変更 |
| バンク選択ボタン A/B/C/D | 演奏時に音源バンクやシーケンスを瞬時に切り替え(各4つまで登録) |
| スライダー(INPUT VOL / MAIN VOL) | 録音入力レベル/再生音量の調整 |
| FX1 / FX2 ボタン・ダイヤル | エフェクトのON/OFF・種類選択・パラメーター変更。EDIT時は波形編集にも使用 |
| 機能ボタン | ▶/■(再生/停止)・REC(録音)・ONE SHOT・LOOP・DEL(削除)・EDIT |
| パッド部(16個) | 音の再生・録音・編集。各パッドに音源を割り当て |
接続端子(上面・側面)
- PHONE 端子(3.5mm ステレオミニ):ヘッドホン
- LINE OUT 端子(3.5mm ステレオミニ):ミキサー/外部スピーカー
- AUDIO IN 端子(3.5mm ステレオミニ):外部機器からのサンプリング入力
- DATA 端子(USB-C):スマホとのデータ通信(MIDI/オーディオ転送)
- POWER/DATA 端子(USB-C):電源供給+データ通信(MIDI/オーディオ転送)
- 電源スイッチ / INPUT SELECT スイッチ(MIC:内蔵マイク / ♪:AUDIO IN / USB)
⚠️ PHONE端子にヘッドホンを挿すと内蔵スピーカーからは音が出ない。 ⚠️ USBケーブルは指定品(付属)のみ使用。
用語:バンクとシーケンス
- バンク … 16パッドに登録された音のグループ。最大80バンク作成可能。
- シーケンス … 1バンクの音で作る最大8小節の演奏パターン。最大50パターン。
A〜Dボタンに登録しておくと、バンクとシーケンスをそれぞれ4つずつ瞬時に呼び出せる。
基本操作フロー
演奏モード ──A〜D──> バンク選択
│ │
│ └─長押し──> シーケンス選択 ──A〜D──> シーケンスモード
│
├─REC ──> RECモード(サンプリング)
├─DEL ──> DELモード(音源削除)
├─EDIT ──> EDITモード(音程・再生位置編集)
└─EDIT長押し ──> システム設定(Beat Sync, MIDI Ch など)
音を鳴らす
- A ボタンでバンク1を選択(十字ボタンでバンク番号変更:上下で±1、左右で±10)
- オレンジ/パープルのパッドを押してループ音源を再生
- 合わせてイエロー/ブルーのパッドでワンショットを重ねる
- ONE SHOT と LOOP ボタンで鳴り方を切替(両方ONで押すたびループ再生継続)
- ▶/■ で停止
| ボタン | ON のとき | OFF のとき |
|---|---|---|
| ONE SHOT | 最後まで再生 | 押している間だけ再生 |
| LOOP | 最後まで再生後、自動で頭に戻り繰り返し | 最後まで再生してそこで停止 |
サンプリング(録音)
内蔵マイクで録音
- 空のパッドがあるバンク(BANK 15 以降)を選択
- INPUT SELECT スイッチを MIC に
- INPUT VOL で録音レベル調整
- REC ボタン → サンプリングモードメニュー表示
- 空のパッド(点滅中)を押す → 録音待機。音を入力すると AUTO TRIGGER で自動的に録音開始
- 完了は選択中パッドを押すか、もう一度 REC
外部音源を録音
- AUDIO IN 端子接続時:INPUT SELECT を ♪
- USB 端子接続時:INPUT SELECT を USB
- あとはマイク同様に INPUT VOL 調整 → REC → パッド選択
シーケンサー
- A/B/C/D のいずれかを長押し → 十字ボタンで保存先を選び A で決定(最大50パターン)
- 十字ボタンでカーソル移動、A で打ち込み(白く塗りつぶし)、B で削除
- 例:小節1の1拍目でパッド1、2拍目でパッド2…
- ▶/■ で再生
- EDIT で使用バンクや BPM を変更(再度EDITでシーケンスモードに戻る)
リアルタイム入力(パッドで打ち込み)
- 再生中に REC を押すと、叩いたパッドが再生位置に自動入力される。再生に合わせてタイミングよく叩く。
演奏モードからシーケンス再生
- 選択中のバンク選択ボタン(点灯)を長押し → 演奏モードに戻る
- ▶/■ + シーケンスを作ったバンク選択ボタンを同時押しで再生
エフェクト
再生中の音に FX1 / FX2 を独立してかけられる(同時使用可)。
| 操作 | 内容 |
|---|---|
| FX1/FX2 ダイヤルを回す | エフェクトの種類を選択 |
| FX1/FX2 ボタンを押す | エフェクト ON/OFF |
| ON中にダイヤルを回す | パラメーター変化 |
搭載エフェクト:フィルター / フェイザー / フランジャー / ビットクラッシャー / ロール ×4種 / ディレイ ×2種
音の編集(EDITモード)
- EDIT ボタンを押す → 編集したいパッドを押す
- 十字ボタンでパラメーター値を変更
| パラメーター | 内容 |
|---|---|
| PITCH | 音程(再生スピード/ピッチ) |
| VOLUME | 音量 |
| GROUP | グループ指定(同グループは同時に鳴らない=チョーク。ハイハットのオープン/クローズ等に) |
| COLOR | パッドのバックライト色 |
- FX1 ダイヤルで再生開始位置、FX2 ダイヤルで終了位置を調整(音源の一部だけ切り取って再生)
- EDIT を押して保存(LED消灯)
システム設定
EDIT ボタンを長押しで SYSTEM SETTING に入る。下ボタンでスクロール、左右で値変更、再度 EDIT で抜ける。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| AUTO Trig Lv | オートトリガー録音の感度 |
| Beat Sync | ループのテンポ自動同期 ON/OFF |
| LED Bright | パッドLEDの明るさ |
| Disp Bright | ディスプレイの明るさ |
| MIDI IN Ch. | MIDI受信チャンネル(初期値1) |
| MIDI OUT Ch. | MIDI送信チャンネル(初期値1) |
| APO Time | オートパワーオフ時間(初期20分) |
初期化(工場出荷状態に戻す)
EDIT長押し → システム設定 → 十字ボタンで Initialize を選び右ボタン → A で実行。
※プリセット音源を削除してしまった場合も初期化で復元可能。サンプリングしたデータは消えるので注意。
MIDI(USB-MIDI)
ファームウェア Ver.1.1.1 で MIDI IN/OUT・Control Change の送受信に対応(USB経由)。 5ピンDIN端子は無いため、PC/スマホとUSB-Cで接続して使う。デフォルトモードはモード3(オムニオフ・ポリ)。
ノート・マッピング(送信36〜99 / 受信36〜115)
パッド1〜16が Bank A/B/C/D に応じて Note 36〜99 に割り当て。
| Pad | Bank A | Bank B | Bank C | Bank D |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 36 | 52 | 68 | 84 |
| 2 | 37 | 53 | 69* | 85 |
| … | … | … | … | … |
| 16 | 51 | 67 | 83 | 99 |
※ Note 100〜115(受信のみ)は、バンクやモードに関わらず「現在のパッド1〜16を押した時」と同じ動作(100→Pad1)。 ※ ノートオン・ベロシティは ×(固定)。
主なコントロール・チェンジ(CC)
全ボタン・ダイヤルが CC を送受信できるため、DAW から SXC-1 を操作したり、SXC-1 をコントローラーとして使える。
| 機能 | CC No. | 値 | 備考 |
|---|---|---|---|
| INPUT VOL スライダー | 11 | 0–127 | 連続 |
| MAIN VOL スライダー | 7 | 0–127 | 連続 |
| FX1 ダイヤル | 16 | 0–127 | 右回し+1/左回し-1(送信時) |
| FX2 ダイヤル | 17 | 0–127 | 同上 |
| バンク A/B/C/D | 80/81/82/83 | 押=127, 離=0 | |
| 十字 上/下/右/左 | 85/86/87/89 | 押=127, 離=0 | |
| ▶/■ | 102 | 押=127, 離=0 | |
| REC | 103 | 押=127, 離=0 | |
| ONE SHOT | 104 | 押=127, 離=0 | |
| LOOP | 105 | 押=127, 離=0 | |
| DEL | 106 | 押=127, 離=0 | |
| EDIT | 107 | 押=127, 離=0 | |
| EFFECT FX1 | 108 | 押=127, 離=0 | |
| EFFECT FX2 | 109 | 押=127, 離=0 | |
| INPUT SWITCH | 110 | MIC:0 / AUDIO IN:64 / USB:127 |
MIDI Ch は システム設定 の MIDI IN Ch. / MIDI OUT Ch. で変更(電源オフでも保持)。
遊び倒すアイデア
- 街の音をビートに:内蔵マイクで地下鉄の走行音・カフェの食器音・雨の水たまりを録音 → パッドに割り当ててリズム化。単一指向性マイクの収音は良好。
- 名機サウンドで一発ネタ:MT-40 の “Sleng Teng”、CZ-101、SK-1 を土台にダブ/レゲエ/チップチューン。
- Beat Sync ループ重ね:テンポ同期ループを複数パッドに置き、リアルタイムにミュート切替してライブ演奏。
- チョークグループ活用:GROUP パラメーターでハイハットのオープン/クローズや、同時に鳴らしたくない音を排他制御。
- 波形トリミング:EDITモードで FX1/FX2 ダイヤルを使い、長尺サンプルの「美味しい所」だけを抜き出す。
- DAW連携:USB-MIDI で DAW に Note/CC を送り、SXC-1 を MIDI コントローラー兼サウンドモジュールとして活用。
- A〜Dへ即呼び出し:よく使うバンク/シーケンスを A/B/C/D に登録し、ライブで瞬時に切替。
- 寝転びビートメイク:電池駆動+内蔵スピーカーでどこでも制作(連続約2時間が目安、長時間はUSB給電)。
実践レシピ(サンプリング遊び)
「ちゃんとした曲を作る」より、身近な“あの音”をサンプリングして破壊して遊ぶのが SXC-1 の楽しみ方。 スマホ/PCの音は AUDIO IN か USB から、生活音は 内蔵マイク から取り込める(サンプリング手順参照)。
💡 鉄則:「元ネタがギリギリわかるか分からないか」までエフェクトで崩すのが一番気持ちいい瞬間。
レシピ1:呼び込み君 × バニラ コラージュ
- ループ素材(例:呼び込み君のメロディ)を1パッドに長めにサンプリング → LOOP ON で背景に流す
- 別パッドに「バーニラ!バニラ!」を1フレーズ録音
- EDIT → そのパッドで PITCH を大きく下げて低音ホラー化/上げて宇宙人化
- ループに合わせてパッドを連打、またはシーケンサーで配置して自動再生
- 仕上げに FX1=ディレイ をかけてスクラッチ風の残響を足す
レシピ2:ポテトのティロリ → テクノにビルドアップ
- マクドナルドの「ティロリ♪」を1パッドにサンプリング、LOOP ON
- シーケンサーでキック等のワンショットを4つ打ちに打ち込み、土台のビートを作る
- 盛り上げ局面で FX1ダイヤル を回し フランジャー/ディレイ を強めにかけ「ティティティ…ロリリリ!」とうねらせる
- ロール(×4種) で高速連打フィルを差し込み、ブレイク前を演出
- MAIN VOL や フィルター で抜き差しして緩急をつける
レシピ3:ファミマ入店音 → Lo-Fi チル
- 入店音メロディをサンプリング
- EDIT → PITCH を少し下げてテンポ感を緩める
- FX1=フィルター で高域を削る → 真夜中のコンビニ風のエモいLo-Fiに
- FX2=ビットクラッシャー を軽くかけてレトロな質感を追加
- ゆるいループとして流し、上に生活音サンプルを重ねる
仕込みのコツ
- 取り込み:スマホをLINE/USBに繋ぎ、YouTube等で対象音を再生しながら AUTO TRIGGER でガシガシ録音
- 音色破壊:
PITCH(ピッチ)/FX(フィルター・ビットクラッシャー・フランジャー・ディレイ・ロール)/波形トリミング(EDITのFX1/FX2ダイヤルで開始・終了位置)を組み合わせる - 配置:似た役割の音は同じ色(
COLOR)に、同時に鳴らしたくない音は同じGROUPに入れてチョーク - 保存:よく使うネタは A〜D ボタンに登録して即呼び出し
⚠️ SXC-1 に アイソレーター/ミキサー/専用ドラムマシンは非搭載。低音カット等は フィルター、リズムは サンプル+シーケンサー で組む。 ⚠️ 外部入力(AUDIO IN)を“録らずに”リアルタイムでFX通過させられるかは公式に明記なし(要確認)。基本は「サンプリングしてから鳴らす」フロー。 ⚠️ 公開・配信する場合は、サンプリング元の音源(楽曲・効果音・店舗BGM等)の著作権・権利処理に注意。個人で楽しむ範囲に留めるのが無難。
既知の制約・注意点
- ⚠️ 連続バッテリー駆動は 約2時間(eneloop時)。長時間は USB-AC 給電推奨。
- ⚠️ 5ピンDIN MIDI 端子は非搭載。MIDIはUSB-MIDIのみ(PC/スマホ接続が前提)。
- ⚠️ ノートオンのベロシティは固定(×)。強弱表現はMIDI経由でも不可。
- ⚠️ サンプル合計時間は 約15分と有限。容量管理が必要。
- ⚠️ オートパワーオフ初期20分。設定でOFFにすると電力を消費し続けるので注意。
- ❓ インポート音声のビート・スライス割り当て可否は要・実機/取説確認。
トラブルシューティング
| 症状 | 対処 |
|---|---|
| 音が出ない | MAIN VOL を確認 / PHONE・LINE OUT の接続確認(PHONE挿入時は内蔵SP無音) |
| 録音できない | INPUT SELECT スイッチの位置 / ストレージ残量(DELで削除)/ 空パッド選択 / 外部機器の接続 |
| アプリと接続できない | 付属 USB Type-C ケーブルで接続されているか確認 |
| 電源が入らない | POWER/DATA に USB-AC 接続を確認 / 電池交換 |
公式リンク
- SXC-1 公式製品ページ(CASIO)
- 取扱説明書(公式)
- チュートリアル動画(公式)
- CASIO Sampler App(公式スマホアプリ。スマホとUSB-Cで接続)
関連商品(Shop)
- 本体・eneloop・USB-Cケーブル等の関連商品まとめ →(Amazonアソシエイト)
レビュー・記事
- カシオ公式note:若手社員による最速レビュー
- 週刊アスキー:レビュー
- ギズモード・ジャパン:レビュー
- note:ハードウェアサンプラーの“不自由さ”こそ魅力
- SYNTH ANATOMY(英語)
- gearnews.com(英語)
- Yanko Design:SK-1との関係(英語)
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最終更新: 2026-05-29