インストールと初期設定
この記事では、VCV Rack をパソコンにインストールして起動し、音が出せる状態に設定するところまで進めます。
- 所要時間: 約 20 分
- 前提: なし(この記事から始めて大丈夫です)
- 必要なもの: パソコン(Windows / Mac / Linux)、ヘッドホンかスピーカー、メールアドレス
VCV Rack とは
Section titled “VCV Rack とは”VCV Rack は、モジュラーシンセサイザー をパソコンの画面上で再現する無料のソフトウェアです。モジュラーシンセサイザーとは、「音を作る部品」「音色を変える部品」「音量を変える部品」などの モジュール(1 つの機能を持った部品)を、ケーブルでつないで音を作る楽器です。本物をそろえると数十万円かかりますが、VCV Rack なら無料で同じ考え方を学べます。
VCV Rack には次の 2 つの版があります。このサイトでは 無料の Free 版 を使います。
| 版 | 価格 | 違い |
|---|---|---|
| VCV Rack 2 Free | 無料 | 単体のソフトとして動く。このサイトの内容はすべてこれで試せます |
| VCV Rack 2 Pro | 有料 | DAW(音楽制作ソフト)の中にプラグインとして組み込める |
1. パソコンが対応しているか確認する
Section titled “1. パソコンが対応しているか確認する”公式サイトに書かれている動作環境は次のとおりです。
| 項目 | 必要なもの |
|---|---|
| OS | Windows 7 以降、macOS 10.9 以降、Linux(Ubuntu 16.04 以降) |
| CPU | 2011 年以降の 64 ビットの Intel / AMD 製 CPU、または Apple M1 以降 |
| メモリ | 1 GB 以上 |
| ディスクの空き | 1 GB 以上 |
| グラフィック | 2013 年以降の独立したグラフィックカードが推奨(パソコン内蔵のグラフィックでも動くことが多いですが、動きが重くなる場合があります) |
ここ数年以内に買ったパソコンであれば、ほとんどの場合そのまま動きます。
2. VCV のアカウントを作る
Section titled “2. VCV のアカウントを作る”VCV Rack に追加のモジュールを入れるには、VCV のアカウント(無料)が必要です。先に作っておきましょう。
- VCV の公式サイト を開きます。
- 画面右上の「Register / Log in」をクリックします。
- メールアドレスとパスワードを入力して登録します。
3. ダウンロードしてインストールする
Section titled “3. ダウンロードしてインストールする”- VCV Rack のページ を開き、「Rack 2 Free」のダウンロードボタンから、自分の OS(Windows / Mac / Linux)のものを選んでダウンロードします。
- ダウンロードしたファイルを開いて、インストールします。
| OS | インストールのしかた |
|---|---|
| Windows | ダウンロードしたインストーラーを実行し、画面の指示に従います。終わったらデスクトップかスタートメニューから起動します |
| Mac | ダウンロードしたインストーラーをダブルクリックし、画面の指示に従います。終わったら「アプリケーション」フォルダーから起動します |
| Linux | ZIP ファイルを展開し、中の Rack を実行します(zenity が必要です) |
4. 起動して画面を確認する
Section titled “4. 起動して画面を確認する”VCV Rack を起動すると、最初から 2 つのモジュールが置かれた画面 が表示されます。これは「テンプレート」と呼ばれる最初の状態です。
- Audio: パソコンのスピーカーやヘッドホンに音を送るモジュール
- MIDI to CV: MIDI キーボード(パソコンにつなぐ鍵盤)の信号を、モジュールが扱える信号に変えるモジュール
画面の黒っぽい部分が ラック(モジュールを並べる棚)です。ここにモジュールを追加し、ケーブルでつないで音を作っていきます。画面のいちばん上の横長の部分は メニューバー です。
5. 表示を日本語にする
Section titled “5. 表示を日本語にする”VCV Rack 2.6.1 からは、メニューなどの表示を日本語に切り替えられます。このサイトでは、日本語の表示で説明を進めます。
- メニューバーの「Help」をクリックします。
- 「🌐 Language」にマウスを合わせ、表示された一覧から「日本語」を選びます。
- 「Restart Rack now?」(今すぐ再起動しますか?)という確認が出るので、「OK」を押します。
- VCV Rack が再起動し、メニューが日本語で表示されます。
英語に戻したいときは、「ヘルプ > 🌐 言語」から「English」を選びます。
6. 音の出口を設定する
Section titled “6. 音の出口を設定する”VCV Rack の音をスピーカーやヘッドホンから出すために、Audio モジュールの設定をします。
- Audio モジュールの上部にある、黒い表示部分をクリックします。
- 表示されたメニューの「オーディオドライバー」から、ドライバー(音を出す仕組み)を選びます。
- Windows: まずは「WASAPI」を選ぶのがおすすめです
- Mac: 「Core Audio」を選びます
- もう一度表示部分をクリックし、「オーディオデバイス」から音を出したい デバイス(スピーカーやヘッドホン)を選びます。
これで、VCV Rack から音を出す準備ができました。実際に音を出すのは次の記事で行います。
7. VCV Rack にログインする
Section titled “7. VCV Rack にログインする”手順 2 で作ったアカウントで、VCV Rack にログインしておきます。ログインすると、あとで追加のモジュール(プラグイン)を入れられるようになります。
- メニューバーの「ライブラリ」を開きます。
- メールアドレスとパスワードを入力して、「ログイン」を押します。
追加モジュールの入れ方は、別の記事で説明します。
8. パッチを保存してみる
Section titled “8. パッチを保存してみる”モジュールとケーブルのつなぎ方の組み合わせを パッチ と呼びます。パッチはファイルとして保存でき、あとで続きから作業できます。
- メニューバーの「ファイル > 名前を付けて保存」を選びます。
- 保存する場所と名前を決めて保存します。ファイルの拡張子は
.vcvです。
2 回目からは「ファイル > 保存」(Ctrl+S、Mac は Cmd+S)で上書き保存できます。
うまくいかないときは
Section titled “うまくいかないときは”音が出ない、デバイスが一覧に出てこない
Section titled “音が出ない、デバイスが一覧に出てこない”ほかの音楽ソフトや動画サイトが音を使っていると、選べないことがあります。ほかのソフトを閉じてから、Audio モジュールでドライバーとデバイスを選び直してください。
画面が真っ黒、または起動してすぐ終了する
Section titled “画面が真っ黒、または起動してすぐ終了する”グラフィック(画面表示)の機能が足りない可能性があります。グラフィックドライバーを最新にしてから、もう一度起動してみてください。
「Language」のメニューが見つからない
Section titled “「Language」のメニューが見つからない”VCV Rack のバージョンが古い可能性があります。2.6.1 より前の版には日本語表示がありません。公式サイトから最新版をダウンロードして、入れ直してください。
いろいろ触ってしまったので、最初の画面に戻したい
Section titled “いろいろ触ってしまったので、最初の画面に戻したい”「ファイル > 新規」(Ctrl+N、Mac は Cmd+N)を選ぶと、ラックが片付いて、起動直後と同じテンプレート(Audio と MIDI to CV)の状態に戻ります。保存していない変更があるときは確認が出るので、残したい場合は先に保存しておきましょう。
「ファイル > テンプレートを上書き」を使った場合は、「新規」で開くのが上書きした内容になります。最初のテンプレートに戻すには、次のようにします。
- 「ヘルプ > ユーザーフォルダを開く」でフォルダーを開きます。
- VCV Rack を終了します。
- フォルダーの中の
template.vcvを削除します(念のため残したいときはtemplate-old.vcvなどに名前を変えます)。 - VCV Rack を起動し、「ファイル > 新規」を選びます。
template.vcv がないときは、VCV Rack に最初から入っているテンプレートが使われます。
設定ファイルの場所を知りたい
Section titled “設定ファイルの場所を知りたい”メニューの「ヘルプ > ユーザーフォルダを開く」で、VCV Rack が設定や追加モジュールを保存しているフォルダーを開けます。
- VCV Rack 2 Free を公式サイトからダウンロードしてインストールしました。
- 「ヘルプ > 🌐 言語」で、表示を日本語にしました。
- 「Audio」モジュールで、音を出すドライバーとデバイスを設定しました。
- パッチは「ファイル > 保存」で
.vcvファイルとして保存できます。最初の状態に戻すには「ファイル > 新規」です。
次は、モジュールを追加してケーブルをつなぎ、最初の音を出してみましょう(記事は準備中です)。
確認した環境
Section titled “確認した環境”- VCV Rack 2 Free 2.6.6(手順は公式サイトとマニュアルの記載をもとに作成)