2.6 データが正しく取れているか確認する
この章で学ぶこと
- リアルタイム レポートで、データが届いているかを確認する方法
- DebugView でイベントとパラメータを詳しく確認する方法
- Tag Assistant でタグの動作を確認する方法
- データが表示されないときのチェックリスト
- データがレポートに反映されるまでの時間
リアルタイム レポートで確認する
タグを設置したら、まずは リアルタイム レポート でデータが届いているかを確認しましょう。リアルタイム レポートは、過去 30 分間にサイトを訪れたユーザーの動きを表示するレポートです。
確認の手順
- 自分のパソコンやスマホで、タグを設置したサイトを開く
- GA4 の「レポート」→「リアルタイムの概要」を開く
- 「過去 30 分間のユーザー」が 1 以上になっているかを確認する
- 「イベント数(イベント名別)」のカードに
page_viewやsession_startなどが表示されているかを確認する - サイトの中でいくつかページを移動し、表示回数が増えるかを確認する
リアルタイム レポートに自分のアクセスが表示されれば、タグは少なくとも動いています。
注意 内部トラフィックの除外(前々章)をすでに「有効」にしている場合、社内からのアクセスはリアルタイム レポートにも表示されません。確認するときは、スマホのモバイル回線など社外のネットワークからアクセスするか、次に説明する DebugView を使いましょう。
DebugView の使い方
リアルタイム レポートは「データが届いているか」の大まかな確認には便利ですが、「どのイベントに、どんなパラメータが付いて送られているか」までは確認しにくい画面です。
そこで使うのが DebugView です。DebugView では、デバッグ モード になっている端末から送られたイベントを、時系列で一つずつ確認できます。
デバッグ モードにする方法
DebugView にデータを表示するには、確認したい端末をデバッグ モードにする必要があります。主な方法は次の 3 つです。
| 方法 | 手順 |
|---|---|
| Tag Assistant を使う | Tag Assistant(後述)でサイトに接続すると、自動的にデバッグ モードになる |
| GTM のプレビュー モードを使う | GTM のプレビューでサイトを開くと、自動的にデバッグ モードになる |
| パラメータを付ける | Google タグの config に debug_mode: true を付ける(確認後は必ず外す) |
// 一時的にデバッグ モードにする例(確認が終わったら削除する)
gtag('config', 'G-XXXXXXXXXX', { debug_mode: true });
DebugView の画面
DebugView は、「管理」→「データの表示」→「DebugView」から開けます。
- 中央の縦のタイムライン:送られたイベントが時刻とともに表示される
- イベントをクリック:そのイベントに付いているパラメータと値の一覧が表示される
- 左上のデバイス選択:複数の端末がデバッグ モードの場合に切り替える
- 右側の一覧:直近 30 分間のイベントの件数や、ユーザー プロパティ
たとえば、問い合わせフォームの送信完了イベントを実装したら、実際にテスト送信を行い、DebugView に generate_lead などのイベントが表示されるか、form_name などのパラメータが正しい値で付いているかを確認します。
ポイント デバッグ モードの端末から送られたイベントは、通常のレポートにも集計されます(DebugView 専用のデータではありません)。テスト送信のデータを本番のレポートに残したくない場合は、テスト用プロパティを使うか、テスト後に除外の方法を検討しましょう。
Tag Assistant の使い方
Tag Assistant(tagassistant.google.com)は、サイトに設置された Google のタグ(GA4、GTM、Google 広告など)が正しく動いているかを確認できる Google のツールです。
使い方
- ブラウザで
tagassistant.google.comを開く - 「ドメインを追加」を押し、確認したいサイトの URL を入力して「接続」を押す
- 新しいタブでサイトが開くので、普段どおりにページを移動したり、ボタンを押したりする
- Tag Assistant のタブに戻ると、検出されたタグと、送られたイベントの一覧が表示される
Tag Assistant では、次のようなことがわかります。
- そのページに、どの測定 ID の GA4 タグが設置されているか
- 同じタグが 二重に設置されていないか
- ページビューやイベントが、どの順番で、どのパラメータとともに送られたか
- GTM 経由の場合、どのタグがどのトリガーで発火したか
ポイント 二重設置の確認には Tag Assistant が最も確実です。1 つのページで同じ測定 ID の
page_viewが 2 回送られていたら、どこかでタグが重複しています。
データが表示されないときのチェックリスト
リアルタイム レポートにも DebugView にもデータが表示されない場合は、次の順番で原因を探しましょう。
1. タグが設置されているか
- サイトの HTML ソースに
googletagmanager.com/gtag/js?id=G-...またはgoogletagmanager.com/gtm.js?id=GTM-...が含まれているか - 測定 ID が、GA4 のデータストリームに表示されている ID と完全に一致しているか(
G-の後ろの英数字を 1 文字ずつ確認) - すべてのページに設置されているか(特定のテンプレートだけに入っていないか)
- CMS のキャッシュ機能を使っている場合、キャッシュをクリアしたか
2. タグが動いているか
- 広告ブロッカーなどのブラウザ拡張機能をオフにしたか
- ブラウザの開発者ツールのコンソールに、JavaScript のエラーが出ていないか
- 開発者ツールのネットワーク タブで、
collect?v=2を含むリクエストが送られているか - Cookie 同意バナーで「拒否」を選んでいないか(同意モードの設定による)
3. GTM を使っている場合
- GTM のコンテナが 公開 されているか(プレビューだけで止まっていないか)
- Google タグのトリガーが「All Pages」または「Initialization - All Pages」になっているか
- Google タグに入力した測定 ID が正しいか
4. GA4 の設定
- データフィルタで、自分のアクセスが除外されていないか
- 見ているプロパティが正しいか(同じ名前のプロパティが複数ないか)
ポイント ブラウザの開発者ツールで「ネットワーク」タブを開き、
collectで絞り込むと、GA4 に送られているリクエストを直接確認できます。リクエストの URL に含まれるtid=G-...が測定 ID、en=page_viewがイベント名です。
データ反映までの時間
GA4 のデータは、画面によって反映されるまでの時間が異なります。
| 画面 | 反映までの目安 |
|---|---|
| DebugView | 数秒〜数十秒 |
| リアルタイム レポート | 数秒〜数分 |
| 標準レポート(集客、エンゲージメントなど) | 数時間〜24 時間程度 |
| 探索レポート | 数時間〜24 時間程度 |
| BigQuery(日次エクスポート) | 翌日 |
「タグを設置したのに、集客レポートに数値が出ない」という相談はよくありますが、標準レポートには反映まで時間がかかるのが普通です。リアルタイム レポートか DebugView でデータが届いていることが確認できたら、翌日まで待ってから標準レポートを確認しましょう。
「データの収集は有効になっていません」の表示
タグを設置した直後は、データストリームの画面に「ウェブサイトでデータ収集が有効になっていません」という警告が表示されることがあります。データが届き始めてから表示が消えるまでには、最大で 48 時間ほどかかることがあります。リアルタイム レポートにデータが表示されていれば、この警告は気にしなくてかまいません。
よくある質問
Q. DebugView に、自分の端末が表示されません。
A. DebugView には、デバッグ モード のデータだけが表示されます。GTM のプレビュー モードで接続しているか、Google Analytics Debugger などのブラウザの拡張機能を有効にしているか、debug_mode のパラメータを送っているかを確認しましょう。また、DebugView の左上の「デバッグ用デバイス」で、自分の端末を選ぶ必要がある場合があります。
Q. リアルタイム レポートに、自分のアクセスが表示されません。
A. 内部トラフィックのフィルタが 有効 になっていて、自分のアクセスが除外されている可能性があります。フィルタの状態を確認するか、社外のネットワーク(スマホのモバイル回線など)から確認しましょう。また、広告ブロッカーや、Cookie バナーで拒否していると、計測されません。
Q. Tag Assistant ではタグが発火しているのに、GA4 にデータが届きません。
A. 測定 ID の誤り(別のプロパティの ID になっている)、同意モードで analytics_storage が拒否されている、ブラウザの拡張機能が送信を止めている、などが考えられます。ブラウザの開発者ツールの「ネットワーク」タブで、collect を含むリクエストが送られているか、送り先の測定 ID が正しいかを確認しましょう。
Q. 設定を変更したあと、いつ確認すればよいですか。
A. 変更の直後に、リアルタイム レポートと DebugView で、データが届いていることを確認します。そのうえで、翌日から数日後 に、標準レポートでイベントの数が想定どおりかを確認しましょう。標準レポートへの反映には時間がかかるため、直後だけの確認では、集計の段階の問題に気づけないことがあります。
実践ワーク
次の手順で、自社のサイトの計測を「通し」で確認してみましょう。
- GTM のプレビュー モード(または Google Analytics Debugger)で、サイトに接続する
- トップページ → 商品・サービスのページ → 問い合わせのフォーム → 送信完了、の順に操作する
- Tag Assistant で、各ページで Google タグと主なイベントのタグが発火していることを確認する
- DebugView で、
page_viewと、問い合わせのイベント(generate_leadなど)が届き、パラメータの値が正しいことを確認する - リアルタイム レポートで、キーイベントとして記録されていることを確認する
- 翌日、標準レポートで、同じイベントが集計されていることを確認する
確認した内容を、日付と担当者とともに記録しておくと、あとで計測の不具合を調べるときの基準になります。
まとめ
- タグを設置したら、まずリアルタイム レポートで自分のアクセスが届いているかを確認する
- イベントとパラメータの中身は、デバッグ モードにした端末で DebugView を使って確認する
- Tag Assistant を使えば、タグの二重設置や発火の順番まで確認できる
- データが出ないときは「設置 → 動作 → GTM → GA4 の設定」の順に原因を探す
- 標準レポートへの反映には数時間〜24 時間かかるので、慌てずに待つ
次の章では、スマホアプリを計測するための Firebase の導入と、ウェブとアプリの統合計測について学びます。