4.1 指標とディメンションの基本

「何を」と「どの切り口で」の関係を理解します。
基礎書籍換算 約 8 ページ

この章で学ぶこと

  • ディメンションと指標の違い
  • 組み合わせられるディメンションと指標、組み合わせられないもの
  • 集計単位(スコープ)による数値の違い
  • 表とグラフを読むときの基本

ディメンションと指標

GA4 のレポートに並んでいる項目は、すべて ディメンション か 指標 のどちらかです。この 2 つの違いを理解することが、数値を正しく読むための第一歩です。

種類意味値の形例
ディメンションデータを分ける「切り口」文字列(カテゴリ)国、デバイス カテゴリ、ページ タイトル、セッションのデフォルト チャネル グループ
指標数えたり測ったりした「数値」数値ユーザー数、セッション数、表示回数、エンゲージメント率、総収益

レポートの表では、行がディメンション、列が指標 になっているのが基本の形です。

デバイス カテゴリ(ディメンション)アクティブ ユーザー数(指標)セッション数(指標)エンゲージメント率(指標)
mobile8,20011,50058.3%
desktop3,5005,60069.1%
tablet30040061.0%

(数値は例)

この表は、「アクティブ ユーザー数・セッション数・エンゲージメント率」という数値を、「デバイス カテゴリ」という切り口で分けたもの、と読みます。

ポイント 迷ったら「〇〇ごとの」と言えるものがディメンション、「〇〇の数・率・時間・金額」と言えるものが指標です。「デバイスごとのユーザー数」のように言い換えると、区別しやすくなります。

ディメンションはいくつでも組み合わせられる?

ディメンションは、2 つ以上を組み合わせて使うこともできます。たとえば「デバイス カテゴリ × チャネル」のように組み合わせると、「スマホの自然検索」「パソコンの広告」といった細かい切り口でデータを見られます。

ただし、ディメンションを増やすほど、1 行あたりのデータは少なくなります。データが少ない行は、偶然の影響を受けやすく、しきい値で非表示になることもあります(第 3 部)。最初は 1〜2 個のディメンションから始め、必要に応じて増やしていくのがおすすめです。

組み合わせられる・られない

GA4 では、すべてのディメンションと指標を自由に組み合わせられるわけではありません。スコープの異なるもの を組み合わせると、データが表示されなかったり、意図しない数値になったりすることがあります。

スコープの復習

スコープディメンションの例指標の例
ユーザー最初のユーザーのデフォルト チャネル グループ、年齢、性別総ユーザー数、新規ユーザー数、アクティブ ユーザー数
セッションセッションのデフォルト チャネル グループ、ランディング ページセッション数、エンゲージのあったセッション数、エンゲージメント率
イベントイベント名、ページ タイトル、リンク先 URLイベント数、表示回数、キーイベント数
アイテムアイテム名、アイテム カテゴリ購入されたアイテム数、アイテムの収益

組み合わせの相性

組み合わせ結果
セッションのディメンション × セッションの指標◎ 自然な組み合わせ
ユーザーのディメンション × ユーザーの指標◎ 自然な組み合わせ
イベントのディメンション × イベントの指標◎ 自然な組み合わせ
イベントのディメンション × ユーザーの指標△ 1 人が複数行に重複して数えられる
セッションのディメンション × イベントの指標○ セッション単位でイベントが集計される
アイテムのディメンション × セッションの指標× 表示されない、または意味のない値になる

たとえば、「ランディング ページ」(セッション スコープ)と「イベント名」(イベント スコープ)を組み合わせると、「どのページから入ったセッションで、どのイベントが何回起きたか」を見られます。これは意味のある組み合わせです。

一方、「アイテム名」(アイテム スコープ)と「セッション数」(セッション スコープ)を組み合わせても、商品ごとのセッション数は正しく表示されません。アイテムのディメンションには、アイテムの指標(購入されたアイテム数、アイテムの収益など)を組み合わせましょう。

注意 探索レポートで、組み合わせられない指標とディメンションを選ぶと、表が空になったり「(not set)」が表示されたりします。数値がおかしいと感じたら、まずスコープの組み合わせを疑ってみましょう。

集計単位の違い

同じような名前の指標やディメンションでも、集計単位(スコープ)が違うと意味が変わります。特に注意したいのが、次の 3 組です。

1. 総ユーザー数 / アクティブ ユーザー数 / 新規ユーザー数

いずれも「ユーザー」を数える指標ですが、数える対象が異なります(第 2 章で詳しく説明します)。

2. セッション / エンゲージのあったセッション

「セッション数」はすべてのセッションを数えますが、「エンゲージのあったセッション数」は条件を満たしたセッションだけを数えます(第 3 章)。

3. 3 種類の「チャネル」

ディメンションスコープ意味主な使い道
最初のユーザーのデフォルト チャネル グループユーザーユーザーが初めて来たときのチャネル新規ユーザーの獲得元の評価
セッションのデフォルト チャネル グループセッションそのセッションが始まったときのチャネル訪問ごとの流入元の評価
デフォルト チャネル グループイベント(キーイベント)キーイベントに貢献したとアトリビューションで判定されたチャネル成果への貢献の評価

標準レポートの「ユーザー獲得」は最初のユーザーの、「トラフィック獲得」はセッションのチャネルを使っています。同じ「Organic Search」でも、どちらのレポートを見るかで数値が変わる理由はここにあります(第 6 章)。

表とグラフの読み方

最後に、レポートの表とグラフを読むときの基本を押さえておきましょう。

表は「合計行」と「比較」から読む

表の一番上にある合計行には、全体の値が表示されています。各行の数値の横には、合計に対する割合(例:「42.5%」)が表示されることもあります。

表を読むときは、次の 3 つを意識しましょう。

  1. 大きい行はどれか:全体に占める割合が大きい行は、少し改善するだけでも全体への影響が大きい
  2. 率が高い・低い行はどれか:エンゲージメント率やキーイベント率が、平均より高い(低い)行はどれか
  3. 量と率のバランスはどうか:量が多くて率が低い行は「改善の余地が大きい」、量が少なくて率が高い行は「伸ばす価値がある」
チャネルセッション数キーイベント率解釈の例
Organic Search多い平均並み主力のチャネル。率の改善で全体が伸びる
Organic Social多い低い量は取れているが成果につながっていない。導線の見直しが必要
Email少ない高い成果につながりやすい。配信数を増やす価値がある

グラフは「形」から読む

グラフは、細かい数値よりも 形 を見るためのものです。

  • 折れ線グラフ:時間の流れに沿った変化。急な増減、周期的な波、長期的な傾向を読む
  • 棒グラフ:項目どうしの大小の比較
  • 円グラフ・ドーナツ グラフ:全体に占める割合(項目が 5 個以下のときに向いている)
  • 散布図:2 つの指標の関係(例:セッション数とキーイベント率)

折れ線グラフで急な変化を見つけたら、その日に何があったか(キャンペーン、メール配信、サイトの更新、障害など)を確認しましょう。原因がわからない場合は、ディメンションで分解して、どの切り口で変化が起きているのかを探します。

ポイント グラフの縦軸の始まりが 0 でないと、小さな変化が大きく見えることがあります。GA4 のグラフは縦軸が自動で調整されるので、変化の大きさは数値で確認しましょう。

まとめ

  • ディメンションは「切り口」、指標は「数値」。「〇〇ごとの〇〇数」と言い換えると区別しやすい
  • スコープの異なるディメンションと指標を組み合わせると、正しく表示されないことがある
  • 「チャネル」などのディメンションには、ユーザー・セッション・イベントの 3 種類があり、意味が異なる
  • 表は合計と比較、量と率のバランスから読み、グラフは形から読む

次の章からは、主な指標を一つずつ詳しく見ていきます。まずは、ユーザーに関する指標です。