5.1 ホームとレポートのスナップショット
この章で学ぶこと
- ホーム画面のカードの読み方
- 「レポートのスナップショット」で全体像をつかむ方法
- インサイトの読み方と活用法
- 毎朝見るべき 5 つの数字
ホームのカード
第 1 部で紹介したとおり、GA4 を開くと最初に表示されるのが ホーム です。ホームは、プロパティの状況をひと目で確認するための画面で、いくつかの カード で構成されています。
| カード | 内容 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 概要 | 直近の期間のユーザー数、新規ユーザー数、平均エンゲージメント時間、総収益など | 前の期間からの増減と、グラフの形 |
| リアルタイム | 過去 30 分間のユーザー数と、国やページの内訳 | 普段と比べて極端に多い・少ないことはないか |
| 最近アクセスしたもの | 最近開いたレポートや探索 | よく使うレポートへの近道 |
| おすすめ | 利用状況に応じたレポートの提案 | 普段見ていない切り口のヒント |
| インサイトと推奨事項 | 自動で検出された変化や、設定の提案 | 異常な変化がないか |
ホームの表示内容は、プロパティの利用状況やユーザーごとの閲覧履歴によって、自動的に変わります。決まった場所に決まった数値があるわけではないので、「ホームは状況をざっと把握する場所、詳しくはレポートで見る」と割り切って使いましょう。
概要カードの読み方
概要カードには、主要な指標がいくつか並び、その下にグラフが表示されます。指標をクリックすると、グラフがその指標に切り替わります。
┌──────────────────────────────────────────────┐
│ ユーザー 新規ユーザー数 平均エンゲージメント時間 総収益 │
│ 12,345 8,210 1 分 05 秒 ¥1.2M │
│ ↑ 5.2% ↑ 8.1% ↓ 3.0% ↑ 12.4% │
│ │
│ (折れ線グラフ:過去 7 日間と前の期間) │
└──────────────────────────────────────────────┘
(数値は例)
指標の下の矢印と割合は、前の同じ長さの期間 と比べた増減です。カードの右下にある期間のプルダウン(「過去 7 日間」など)で、表示する期間を変えられます。
ポイント ホームのカードの右下にある「レポートを表示」などのリンクから、関連する詳細なレポートに移動できます。気になる変化を見つけたら、そのままレポートに進んで原因を探しましょう。
レポートのスナップショット
「レポート」をクリックすると、最初に表示されるのが レポートのスナップショット です。ホームよりも多くのカードが並び、サイトの全体像を 1 画面で確認できます。
主なカードは次のとおりです(表示はプロパティの設定によって異なります)。
| カード | 内容 |
|---|---|
| 概要 | ユーザー数、新規ユーザー数、平均エンゲージメント時間、総収益の推移 |
| リアルタイム | 過去 30 分間のユーザー数 |
| インサイト | 自動で検出された変化 |
| 新しいユーザーの獲得 | 最初のユーザーのチャネル別の新規ユーザー数 |
| セッションの獲得 | セッションのチャネル別のセッション数 |
| 国別のユーザー | 国ごとのアクティブ ユーザー数 |
| ユーザーのアクティビティの推移 | 1 日、7 日、30 日のアクティブ ユーザー数の推移 |
| ページ タイトルとスクリーン クラス別の表示回数 | よく見られているページ |
| イベント名別のイベント数 | よく発生しているイベント |
| キーイベント | キーイベント名ごとの件数 |
| 購入されたアイテム | よく売れている商品(e コマースを計測している場合) |
| プラットフォーム別のユーザー | ウェブとアプリの比率 |
スナップショットのカスタマイズ
レポートのスナップショットは、編集者以上の権限を持つ人であれば、表示するカードを変更できます。画面右上の「レポートをカスタマイズ」(鉛筆のアイコン)から、カードを追加・削除・並べ替えできます。
チームでよく確認する指標をスナップショットに集めておくと、毎朝の確認が効率的になります。カスタマイズの詳しい方法は、第 9 章で扱います。
インサイトの読み方
インサイト は、GA4 がデータを自動で分析し、「普段と違う変化」や「注目すべき傾向」を知らせてくれる機能です。ホームやレポートのスナップショット、各レポートの右上の「インサイト」アイコンから確認できます。
インサイトの種類
| 種類 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 自動インサイト | GA4 が自動で検出した異常な変化や傾向 | 「昨日、Paid Search からのセッションが予測を 35% 上回りました」 |
| カスタム インサイト | 自分で条件を設定した通知 | 「日別のキーイベント数が 20% 以上減ったらメールで知らせる」 |
| 推奨事項 | 設定や機能の提案 | 「Search Console をリンクしましょう」 |
インサイトの活用
自動インサイトは、膨大な指標とディメンションの組み合わせの中から、普段の傾向から外れた変化 を見つけてくれます。人が気づきにくい変化を拾ってくれる反面、ビジネス上は重要でない変化も含まれます。
インサイトを見たら、次の 3 点を確認しましょう。
- 心当たりはあるか:キャンペーンやメール配信、サイトの更新など、変化の理由が思い当たるか
- 重要な指標か:KPI や KPI ツリーの要素に関係する変化か
- 続いているか:一時的な変化か、数日続いている変化か
心当たりがなく、重要な指標に関わり、続いている変化であれば、詳しく調べる価値があります。
カスタム インサイトで異常を知らせる
カスタム インサイト を設定すると、特定の条件を満たしたときにメールで通知を受け取れます。毎日 GA4 を開かなくても、重要な変化に気づけるようになります。
おすすめの設定例を紹介します。
| 名前 | 条件 | 頻度 |
|---|---|---|
| キーイベントの急減 | キーイベント数が前日比で 30% 以上減少 | 毎日 |
| セッションの急増 | セッション数が前日比で 100% 以上増加 | 毎日 |
| 購入の停止 | 購入数が 0 になった | 毎日 |
| 新規ユーザーの減少 | 新規ユーザー数が前週比で 20% 以上減少 | 毎週 |
設定は、インサイトの画面の「作成」または「カスタム インサイトを作成」から行います。
ポイント 「購入数が 0 になった」というアラートは、タグの不具合で計測が止まったことに気づくのに特に役立ちます。サイトのリニューアルやタグの変更の直後は、計測が止まる事故が起きやすいので、必ず設定しておきましょう(第 11 部)。
毎朝見る 5 つの数字
GA4 には膨大な数値がありますが、毎日すべてを見る必要はありません。サイトの状況を素早く把握するために、毎朝見る数字を 5 つ程度に絞って おくことをおすすめします。
基本の 5 つ
| 数字 | 見る場所 | 確認すること |
|---|---|---|
| 1. アクティブ ユーザー数 | ホーム、スナップショット | 普段と比べて極端な増減がないか |
| 2. セッションのチャネル別の内訳 | スナップショットの「セッションの獲得」 | 特定のチャネルが急に増えたり減ったりしていないか |
| 3. 主要なキーイベント数 | スナップショットの「キーイベント」 | 成果が普段どおり発生しているか、0 になっていないか |
| 4. よく見られているページ | スナップショットのページ別の表示回数 | 想定外のページが急に上位に来ていないか |
| 5. インサイト | ホーム、スナップショット | 自動で検出された変化に、重要なものがないか |
サイトの種類に合わせて入れ替える
5 つの数字は、サイトの目的に合わせて入れ替えましょう。
- EC サイト:総収益、購入数、平均購入収益額を入れる
- BtoB サイト:資料請求数、問い合わせ数を入れる
- メディア:表示回数、平均エンゲージメント時間、会員登録数を入れる
- アプリ:DAU、クラッシュの有無(Firebase Crashlytics)を入れる
毎朝の確認の流れ
- ホームでインサイトと概要カードを確認する(1 分)
- レポートのスナップショットで、5 つの数字の普段との違いを確認する(2 分)
- 気になる変化があれば、関連するレポートで原因を探す(必要に応じて)
慣れれば、毎朝 3〜5 分の確認で、サイトの異常にいち早く気づけるようになります。
注意 毎朝の確認で見るのは「昨日」のデータが中心になりますが、昨日のデータはまだ処理が完了していないことがあります(第 3 部)。数値が少なく見えても慌てず、翌日にもう一度確認しましょう。また、日々の小さな増減に一喜一憂せず、週単位の傾向で判断することも大切です。
まとめ
- ホームはプロパティの状況をざっと把握する場所で、表示内容は利用状況によって変わる
- レポートのスナップショットには主要なカードが並び、編集者以上の権限でカスタマイズできる
- インサイトは普段と違う変化を自動で知らせる機能で、カスタム インサイトでメール通知も設定できる
- 毎朝見る数字を 5 つ程度に絞り、サイトの目的に合わせて入れ替える
- 「購入数が 0 になった」などのアラートで、計測の停止にも気づけるようにする
次の章では、今まさにサイトで起きていることを確認できる、リアルタイム レポートの使い方を学びます。