5.2 リアルタイム レポート
この章で学ぶこと
- リアルタイム レポートで見られる項目
- キャンペーンの公開直後に確認すべきこと
- 比較機能とユーザー スナップショットの使い方
- リアルタイム レポートの限界
リアルタイムで見られる項目
リアルタイム レポート は、過去 30 分間(一部のカードは過去 5 分間)にサイトやアプリを利用したユーザーの動きを表示するレポートです。「レポート」→「リアルタイムの概要」から開けます。
主なカードは次のとおりです。
| カード | 内容 |
|---|---|
| 過去 30 分間のユーザー | 過去 30 分間のアクティブ ユーザー数と、1 分ごとのユーザー数の棒グラフ |
| 過去 5 分間のユーザー | 直近 5 分間のユーザー数 |
| 地図 | ユーザーのいる地域 |
| 最初のユーザーの参照元 / メディア など | ユーザーが最初にどこから来たか |
| オーディエンス別のユーザー | オーディエンスごとのユーザー数 |
| ページ タイトルとスクリーン名別の表示回数 | 今見られているページ |
| イベント名別のイベント数 | 今発生しているイベント |
| キーイベント名別のキーイベント | 今発生しているキーイベント |
| ユーザー プロパティ別のユーザー | ユーザー プロパティの値ごとのユーザー数 |
カードの中の項目をクリックすると、その条件で絞り込んだ表示に切り替わります。たとえば、ページのカードで特定のページをクリックすると、そのページを見ているユーザーのデータだけが表示されます。
ポイント リアルタイム レポートの流入元のカードは、プルダウンで「最初のユーザーの参照元」「最初のユーザーのメディア」「最初のユーザーのキャンペーン」などに切り替えられます。キャンペーンの確認をするときは、キャンペーンに切り替えましょう。
リアルタイムの「ページ」と「イベント」
リアルタイム レポートは、普段は見ないような「今この瞬間」の動きを確認するのに向いています。
- 「今、どのページが見られているか」
- 「今、どのイベントが発生しているか」
- 「今、キーイベントは発生しているか」
たとえば、テレビ番組でサイトが紹介された直後や、SNS で投稿が拡散されているときに、どのページにアクセスが集中しているかを確認できます。
キャンペーン公開直後の確認
リアルタイム レポートが最も役立つのは、施策を公開した直後 です。
メールマガジンの配信直後
- メールの配信後、リアルタイム レポートを開く
- 流入元のカードを「最初のユーザーのキャンペーン」や「参照元 / メディア」に切り替え、メールの UTM で指定した値が表示されるかを確認する
- ページのカードで、メールのリンク先のページが見られているかを確認する
- 数分〜数十分の間、ユーザー数がどれくらい増えるかを確認する
UTM の値が表示されない場合は、メールのリンクに UTM パラメータが付いていない、またはリンク先の URL が間違っている可能性があります。配信直後に気づけば、次の配信から修正できます。
注意 リアルタイム レポートの流入元のカードは「最初のユーザー」の情報を表示します。以前にも来たことのあるユーザーの場合、メールから来ても、最初に来たときの流入元(例:Organic Search)が表示されることがあります。メールの効果を正確に見るには、翌日以降にトラフィック獲得レポートで「セッションの参照元 / メディア」を確認しましょう。
広告の配信開始直後
- 広告の配信開始後、リアルタイム レポートで「cpc」などの流入が表示されるかを確認する
- 広告のランディング ページが見られているかを確認する
- ランディング ページで、キーイベントにつながる行動(フォームの開始など)が発生しているかを確認する
サイトの更新・リニューアル直後
- 更新したページを自分で開き、リアルタイム レポートに表示されるかを確認する
- イベントのカードで、主要なイベント(
page_view、キーイベントなど)が普段どおり発生しているかを確認する - キーイベントのカードで、成果が発生し続けているかを確認する
サイトのリニューアルでは、タグの設置漏れや、イベントの実装の不具合が起きやすいものです。公開直後にリアルタイム レポートで確認する習慣をつけましょう。
比較とユーザー スナップショット
比較
リアルタイム レポートでも、画面上部の「比較を追加」から比較を作れます。たとえば、「デバイス カテゴリ = mobile」と「デバイス カテゴリ = desktop」の比較を作ると、スマホとパソコンのユーザーの動きを並べて見られます。
| 比較の例 | わかること |
|---|---|
| 新規ユーザー vs リピーター | 今来ている人が、新しい人か、何度も来ている人か |
| mobile vs desktop | 今来ている人の端末 |
| 特定の国 vs それ以外 | 海外からの急なアクセスの有無 |
ユーザー スナップショット
リアルタイム レポートの右上にある「ユーザー スナップショットを表示」を押すと、今サイトを利用している ユーザーの 1 人 を選んで、そのユーザーの行動を時系列で確認できます。
ユーザー スナップショットでは、次の情報が表示されます。
- 端末の種類、地域、OS など
- 直近のイベントの流れ(ページの表示、スクロール、クリックなど)
- イベントのパラメータ(イベントをクリックすると表示)
- ユーザー プロパティ
DebugView(第 2 部)が「デバッグ モードの端末」を対象にするのに対し、ユーザー スナップショットは「実際のユーザー」の行動を見られる点が特徴です。実際のユーザーがどのような順番でページを見て、どこで離れているのかを知る手がかりになります。
注意 ユーザー スナップショットで見られるのは、匿名のユーザーの行動です。個人を特定する目的で使ってはいけません。
リアルタイムの限界
リアルタイム レポートは便利ですが、限界もあります。
| 限界 | 内容 | 代わりに使うもの |
|---|---|---|
| 期間が短い | 過去 30 分間しか見られない | 標準レポート |
| データが速報値 | 処理が完了していないため、後で数値が変わることがある | 翌日以降の標準レポート |
| 流入元は「最初のユーザー」中心 | セッション単位の流入元が見にくい | トラフィック獲得レポート |
| 項目が限られる | 使えるディメンションや指標が少ない | 探索レポート |
| 分析には向かない | 少ないデータで傾向を判断すると誤りやすい | 標準レポート、探索レポート |
リアルタイム レポートは、「計測できているか」「施策が動き始めたか」の確認用 と割り切り、効果の判断は翌日以降に標準レポートで行いましょう。
リアルタイムを見すぎない
キャンペーンの公開直後は、つい何度もリアルタイム レポートを見てしまいがちです。しかし、数十分の数値の上下に一喜一憂しても、判断の材料にはなりません。確認すべきこと(計測できているか、リンク先は正しいか)を確認したら、あとは翌日のデータを待ちましょう。
よくある質問
Q. リアルタイム レポートの数値と、標準レポートの同じ時間帯の数値が違います。
A. リアルタイム レポートは、すぐに表示するための 速報 の値です。標準レポートは、データの処理(ボットの除外、セッションの判定、遅れて届いたデータの取り込みなど)が終わった値です。そのため、両者は一致しないことがあります。正確な数値は、処理が終わった標準レポートで確認しましょう。
Q. リアルタイムで、特定のページを見ている人の数を確認したいです。
A. リアルタイム レポートの「ページ タイトルとスクリーン名別の表示回数」のカードで、直近の時間に見られているページを確認できます。比較を使って、特定の条件(ページや流入元)に絞ることもできます。
Q. テレビや SNS で紹介されたとき、リアルタイムで何を見ればよいですか。
A. 次の順番で確認すると、状況をすばやく把握できます。
- ユーザー数の急な増加が、どの 流入元 からか
- どの ページ に人が集まっているか
- そのページから、キーイベントにつながっているか
- サイトの表示が遅くなっていないか(エンゲージメントが急に下がっていないか)
アクセスが集中しているページの情報を更新したり、問い合わせへの導線を目立たせたりする判断の材料になります。
実践ワーク
次のメールマガジンやキャンペーンの配信の直後に、リアルタイム レポートで次の項目を確認してみましょう。
| 確認する項目 | 確認の結果 |
|---|---|
| 配信から 5 分以内に、ユーザー数が増えたか | |
流入元(utm_source / utm_medium)が、意図した値で記録されているか | |
| ランディング ページは、意図したページか | |
| キーイベントが発生しているか |
UTM の値が違う、ランディング ページが違う、などの問題があれば、すぐに修正しましょう。リアルタイムでの確認は、配信の 直後 にしかできないため、配信の担当者と、確認の担当者を事前に決めておくと安心です。
まとめ
- リアルタイム レポートは、過去 30 分間のユーザーの動きを表示する
- メール配信、広告の開始、サイトの更新の直後に、計測やリンク先が正しいかを確認するのに使う
- 流入元のカードは「最初のユーザー」の情報が中心なので、施策の効果は翌日以降にトラフィック獲得レポートで見る
- ユーザー スナップショットで、実際のユーザー 1 人の行動の流れを確認できる
- リアルタイムは確認用と割り切り、分析や判断には標準レポートを使う
次の章では、ユーザーがどこから来たのかを分析する、集客レポートの使い方を学びます。