1.5 画面の歩き方
この章で学ぶこと
- 左メニューにある 4 つの入口の役割
- ホーム画面に表示される情報の読み方
- 期間の指定と、前期間との比較の方法
- どのレポートにも共通する画面のパーツ
- 迷ったときに使える検索とヘルプ
注意 GA4 の画面は頻繁に改善が加えられています。メニューの名称や配置が本章の説明と少し異なる場合がありますが、基本的な構成と考え方は変わりません。
左メニューの 4 つの入口
GA4 にログインすると、画面の左端に縦並びのアイコン(左メニュー)が表示されます。主な入口は次の 4 つです。
| アイコン | 名称 | 役割 | 主な利用者 |
|---|---|---|---|
| 家 | ホーム | よく見る数値や最近見たレポートの概要 | すべての人 |
| 棒グラフ | レポート | あらかじめ用意された標準レポート | すべての人 |
| 虫めがね付きのグラフ | 探索 | 自由に組み合わせて分析する探索レポート | 分析担当者 |
| 吹き出しのような円 | 広告 | 広告やアトリビューションに関するレポート | 広告担当者 |
そして、左下には歯車のアイコンの 管理 があります。ここでは、アカウントやプロパティ、データストリームの設定、ユーザー権限の管理などを行います。
ポイント 迷ったら「見るのはレポート、深掘りは探索、設定は管理」と覚えておきましょう。
レポート
レポートの中には、目的別にいくつかのまとまり(コレクション)があります。標準では、次のような構成になっています(プロパティの業種設定や、ライブラリでの編集によって変わることがあります)。
レポート
├─ レポートのスナップショット
├─ リアルタイム
├─ ライフサイクル
│ ├─ 集客(どこから来たか)
│ ├─ エンゲージメント(何をしたか)
│ ├─ 収益化(いくら売れたか)
│ └─ 維持率(戻ってきたか)
└─ ユーザー
├─ ユーザー属性(どんな人か)
└─ テクノロジー(どんな環境か)
「ライフサイクル」のコレクションは、ユーザーがサイトを知り(集客)、利用し(エンゲージメント)、お金を払い(収益化)、また戻ってくる(維持率)という流れに沿った並びになっています。この順番を意識すると、どのレポートを開けばよいかがわかりやすくなります。
探索
探索は、ディメンションと指標を自由に組み合わせて、表やグラフ、ファネル(段階的な離脱の図)、経路図などを作れる機能です。標準レポートでは答えられない疑問を深掘りするときに使います。第 6 部で詳しく解説します。
広告
広告のセクションでは、各チャネルがキーイベントにどれだけ貢献したかを見る「アトリビューション」関連のレポートや、Google 広告などの成果を確認できます。第 7 部と第 8 部で扱います。
管理
管理画面は、大きく「アカウントの設定」と「プロパティの設定」に分かれています。
| 区分 | 主な項目 |
|---|---|
| アカウントの設定 | アカウントの詳細、アカウントのアクセス管理、データ共有設定、アカウントの変更履歴 |
| プロパティの設定 | プロパティの詳細、データストリーム、データの収集と修正、データの表示(イベント・キーイベント・オーディエンス・カスタム定義など)、サービス間のリンク設定 |
初期設定の多くはこの管理画面で行います。具体的な手順は第 2 部で説明します。
ホーム画面の読み方
GA4 を開いたときに最初に表示されるのがホーム画面です。ホームには、そのプロパティの全体的な状況が要約されています。
ホームに表示される主な情報は次のとおりです。
- 概要カード:直近 7 日間などのユーザー数、新規ユーザー数、平均エンゲージメント時間、総収益などと、その推移を示すグラフ
- リアルタイムのカード:過去 30 分間のユーザー数
- 最近アクセスしたもの:最近開いたレポートや探索へのショートカット
- おすすめ:利用状況に応じたレポートや設定の提案
- インサイト:数値の急な変化や傾向を自動で検出したもの
ホームの表示内容は、利用状況に合わせて自動的に変わります。ホームを「毎朝ちらっと見て、異常がないかを確認する場所」として使い、詳しく見たい数値があればレポートに移動する、という使い方がおすすめです。
ポイント ホームの数値の横に表示される「↑ 12.3%」のような表示は、前の同じ長さの期間と比べた増減です。ただし、増減がすべて重要なわけではありません。曜日の並びや祝日、キャンペーンの有無など、変化の理由が想像できるかどうかを考えましょう。
期間の指定と比較
どのレポートでも、画面右上に 期間(日付範囲) の指定欄があります。ここをクリックすると、期間を選ぶパネルが開きます。
よく使う期間の選択肢
| 選択肢 | 内容 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 今日 / 昨日 | 1 日分 | 施策直後の確認 |
| 過去 7 日間 / 過去 28 日間 / 過去 90 日間 | 昨日までの指定日数 | 日々のモニタリング |
| 今週 / 先週、今月 / 先月 | 週・月の区切り | 週次・月次の報告 |
| カスタム | 開始日と終了日を自由に指定 | キャンペーン期間の分析など |
注意 「過去 7 日間」などの選択肢には、通常は 今日が含まれません。今日のデータはまだ集計途中のため、比較の際に数値が小さく見えてしまうからです。リアルタイムで今日の状況を見たいときは、リアルタイム レポートを使います。
前期間との比較
期間パネルで「比較」をオンにすると、指定した期間と別の期間を並べて表示できます。
- 前の期間:直前の同じ長さの期間(例:今月 1〜15 日と、先月 17〜31 日)
- 前年の同じ期間:前年の同じ日付(季節の影響を除いて比べたいとき)
- カスタム:比較したい期間を自由に指定
比較をオンにすると、グラフには 2 本の線が表示され、表には各指標の増減率が表示されます。
比較するときは、曜日の並びをそろえる ことに注意しましょう。たとえば BtoB サイトでは平日と週末でアクセス数が大きく異なるため、「10 月 1〜7 日」と「9 月 1〜7 日」を比べると、それぞれに含まれる土日の数が違い、正しい比較になりません。週単位や 28 日単位(4 週間)で比較すると、曜日の並びがそろいます。
レポート画面の共通パーツ
標準レポートの多くは、同じような部品で構成されています。一度覚えてしまえば、どのレポートでも同じように操作できます。
┌──────────────────────────────────────────────┐
│ レポートのタイトル [比較を追加] [期間] [共有][編集] │
├──────────────────────────────────────────────┤
│ グラフ(折れ線グラフ・棒グラフなど) │
├──────────────────────────────────────────────┤
│ [検索] [ディメンション ▼] [+] [1 ページの行数] │
│ 表(ディメンション × 指標) │
└──────────────────────────────────────────────┘
| パーツ | 役割 | 詳しい章 |
|---|---|---|
| 比較を追加 | 条件(例:デバイスがモバイル)を指定し、全体と並べて表示する | 第 5 部 |
| 期間 | 表示する日付範囲と比較期間を指定する | 本章 |
| 共有 / エクスポート | URL の共有、PDF や CSV への書き出し | 第 5 部 |
| レポートをカスタマイズ(鉛筆アイコン) | 表示する指標やグラフを変更する(権限が必要) | 第 5 部 |
| インサイト | そのレポートに関する自動の気づき | 第 5 部 |
| ディメンションの切り替え | 表の行の切り口(例:参照元 / メディア ↔ チャネル)を変える | 第 5 部 |
| +(セカンダリ ディメンション) | 表に 2 つ目のディメンションを追加する | 第 5 部 |
| 検索 | 表の行をキーワードで絞り込む | 第 5 部 |
表の読み方の基本
表の一番上の行には、合計(または平均) が表示されています。その下の各行は、ディメンションの値ごとの内訳です。
たとえば「トラフィック獲得」レポートで、行が「セッションのデフォルト チャネル グループ」、列が「セッション」「エンゲージメント率」「キーイベント」の場合、次のように読みます。
| セッションのデフォルト チャネル グループ | セッション | エンゲージメント率 | キーイベント |
|---|---|---|---|
| 合計 | 10,000(全体の 100%) | 62.0%(平均との差 0%) | 150(全体の 100%) |
| Organic Search | 5,200 | 68.5% | 90 |
| Direct | 2,100 | 55.2% | 30 |
| Organic Social | 1,500 | 48.0% | 8 |
| Referral | 700 | 64.3% | 15 |
| Paid Search | 500 | 70.1% | 7 |
(数値は例)
この表からは「自然検索(Organic Search)がセッションの約半分を占め、キーイベントの 6 割を生んでいる」「SNS(Organic Social)はエンゲージメント率もキーイベントも低い」といったことが読み取れます。このように、行どうしを比べる ことが表を読むときの基本です。
ポイント 列の見出しをクリックすると、その列で並べ替えができます。既定では最初の指標の多い順に並んでいますが、「エンゲージメント率の高い順」などに並べ替えると、別の発見があることもあります。
迷ったときの検索とヘルプ
GA4 には多くのレポートや設定があり、どこに何があるのかわからなくなることもあります。そんなときは、画面上部の 検索バー を使いましょう。
検索バーには、次のようなキーワードを入力できます。
- レポートや設定の名前:「データ保持」「内部トラフィック」「ランディング ページ」
- 知りたいこと:「先月のユーザー数」「モバイルのセッション」
- 測定 ID や用語:「測定 ID」「エンゲージメント率とは」
検索結果には、該当するレポートや設定画面へのリンク、ヘルプ記事が表示されます。管理画面の深い階層にある設定でも、検索すれば一発で移動できるので、ぜひ活用してください。
指標の意味を確認する
レポートの表の列見出し(指標名)にマウスを乗せると、その指標の簡単な説明が表示されます。「この数値はどういう意味だっけ?」と思ったら、まずは見出しにマウスを乗せてみましょう。さらに詳しい説明は、本サイトの第 4 部や 用語集 で確認できます。
ヘルプの使い方
画面右上の「?」アイコンからは、公式ヘルプを開けます。表示中の画面に関連するヘルプ記事が提案されるため、設定方法がわからないときに便利です。
まとめ
- 左メニューの入口は「ホーム」「レポート」「探索」「広告」と、設定用の「管理」
- ホームは毎朝の健康診断に、レポートは日々の状況把握に、探索は深掘りに使う
- 期間は右上で指定し、比較をオンにすると前期間や前年と並べられる。比較時は曜日の並びをそろえる
- レポート画面は「グラフ+表」の共通構成で、表は行どうしを比べて読む
- 迷ったら画面上部の検索バーで、レポートや設定を直接探す
次の章は第 1 部の締めくくりとして、解析を始める前に必ず決めておくべき「サイトの目的」と「KGI・KPI」について学びます。