8.3 Google 広告との連携
この章で学ぶこと
- GA4 と Google 広告をリンクする手順
- 自動タグ設定の仕組みと重要性
- GA4 のキーイベントを Google 広告にインポートする方法
- GA4 のオーディエンスを Google 広告の配信に使う方法
- GA4 の広告レポートの読み方
リンクの設定
GA4 と Google 広告を リンク すると、広告のデータとサイト内の行動のデータをつなげて分析できるようになります。
リンクでできること
| できること | 内容 |
|---|---|
| 広告の詳細なデータを GA4 で見る | キャンペーン、広告グループ、キーワード、検索語句などを GA4 のレポートで見られる |
| 広告の費用を GA4 で見る | クリック数、費用、クリック単価、ROAS などを GA4 で見られる |
| キーイベントを Google 広告に送る | GA4 のキーイベントを、Google 広告のコンバージョンとして使える |
| オーディエンスを Google 広告に送る | GA4 で作ったオーディエンスに、広告を配信できる |
リンクの手順
- GA4 の管理画面の「サービス間のリンク設定」→「Google 広告のリンク」を開く
- 「リンク」を押す
- 「Google 広告アカウントを選択」で、リンクしたい Google 広告のアカウントを選ぶ
- 設定を確認する
- パーソナライズド広告を有効化:GA4 のオーディエンスを広告の配信に使う場合はオン
- 自動タグ設定を有効にする:オンにする(次の節)
- 「送信」を押す
注意 リンクするには、GA4 のプロパティで 編集者以上、Google 広告のアカウントで 管理者 の権限が必要です。広告代理店が Google 広告を運用している場合は、代理店の担当者と協力して設定しましょう。
自動タグ設定
自動タグ設定 は、Google 広告の広告がクリックされたときに、リンク先の URL に gclid(Google Click Identifier)というパラメータを自動的に付ける仕組みです。
https://www.example.co.jp/lp/?gclid=Cj0KCQjw...
GA4 は、この gclid をもとに、そのクリックがどのキャンペーン・広告グループ・キーワードのものかを、Google 広告のデータから判定します。
自動タグ設定が重要な理由
| 自動タグ設定 | GA4 での見え方 |
|---|---|
| 有効 | google / cpc として判定され、キャンペーンや広告グループ、キーワードの詳細もわかる |
| 無効(UTM もなし) | google / organic(自然検索)として誤って判定されることがある |
| 無効(手動の UTM あり) | UTM の値で判定されるが、広告グループやキーワードなどの詳細は取得しにくい |
自動タグ設定は、Google 広告の管理画面の「アカウント設定」で確認・変更できます。GA4 とのリンクの際にも有効にできます。
自動タグ設定の注意点
- gclid が消えないようにする:リンク先のページで、リダイレクト(転送)によって URL のパラメータが消えると、
gclidが GA4 に届かない。リダイレクトがある場合は、パラメータを引き継ぐ設定にする - 手動の UTM との併用:自動タグ設定と手動の UTM の両方がある場合、既定では自動タグ設定(gclid)が優先される。特別な理由がなければ、Google 広告に手動の UTM は付けない(前々章)
キーイベントのインポート
GA4 のキーイベントを Google 広告に インポート すると、Google 広告の コンバージョン として使えます。
インポートのメリット
- GA4 と Google 広告で、同じ定義の成果を使える
- Google 広告の自動入札(コンバージョン数の最大化、目標 CPA など)で、GA4 のキーイベントを目標にできる
- Google 広告のタグ(コンバージョン タグ)を別に設置しなくても済む場合がある
インポートの手順
- Google 広告の管理画面で、「目標」→「コンバージョン」→「概要」を開く
- 「+ コンバージョン アクションを作成」を押す
- 「インポート」→「Google アナリティクス 4 プロパティ」→「ウェブ」(またはアプリ)を選ぶ
- インポートしたい GA4 のキーイベントを選ぶ
- 「インポートして続行」を押す
GA4 のキーイベントと Google 広告のコンバージョンの数が違う理由
インポートしても、GA4 のキーイベントの数と、Google 広告のコンバージョンの数は、多くの場合一致しません。
| 違いの原因 | GA4 | Google 広告 |
|---|---|---|
| 対象 | すべてのチャネルのキーイベント | Google 広告のクリック(や表示)に紐づくコンバージョン |
| 日付の基準 | キーイベントが発生した日 | 広告がクリックされた日 |
| アトリビューション | GA4 のアトリビューション設定 | Google 広告のコンバージョン アクションの設定 |
| ビュースルー | 一部を除き含まない | 設定によって含む(広告を見ただけで、あとから成果に至った場合) |
| 反映のタイミング | 処理に数時間〜 | インポートの処理にさらに時間がかかる |
ポイント 「GA4 と Google 広告で数が合わない」のは、多くの場合、上の表のような 数え方の違い によるものです。どちらが正しいかではなく、目的に応じて使い分けましょう。広告の入札の最適化には Google 広告の数値を、チャネル全体の比較には GA4 の数値を使うのが一般的です。
GA4 オーディエンスで配信する
GA4 で作った オーディエンス(第 6 部)は、Google 広告とリンクしていれば、Google 広告の配信の対象(リマーケティング リストなど)として使えます。
設定の流れ
- GA4 で、配信したいオーディエンスを作る(例:カゴ落ちユーザー、料金ページを見たが問い合わせていないユーザー)
- GA4 と Google 広告のリンクで、「パーソナライズド広告を有効化」をオンにしておく
- GA4 のオーディエンスが、Google 広告の「オーディエンス マネージャー」に自動的に共有される
- Google 広告のキャンペーンや広告グループで、そのオーディエンスを配信の対象に設定する
オーディエンスの活用例
| オーディエンス | 広告の例 |
|---|---|
| カゴ落ちユーザー(7 日) | カートに入れた商品の広告、送料無料のクーポン |
| 料金ページを見たが問い合わせていないユーザー(30 日) | 導入事例や無料相談の案内 |
| 購入者(540 日) | 関連商品の案内、リピート購入の促進。または新規顧客獲得の広告から除外する |
| 予測:7 日以内に購入する可能性が高いユーザー | 入札を強める |
注意 オーディエンスが Google 広告で使えるようになるまでには、時間がかかります(共有の処理に最大 24〜48 時間程度、さらに配信に必要な人数が集まるまでの期間)。キャンペーンの開始の前に、余裕をもってオーディエンスを作っておきましょう。また、配信先のネットワークによって、必要な最低人数が決まっています。
広告レポートの読み方
GA4 と Google 広告をリンクすると、GA4 で広告の成果を確認できるようになります。
Google 広告のレポート
「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」や「ユーザー獲得」のディメンションを、「セッションの Google 広告のキャンペーン」などに切り替えると、Google 広告のキャンペーンごとの成果を見られます。
また、「集客」の中に、Google 広告のキャンペーンや広告グループ、キーワード、検索語句ごとの成果をまとめたレポート(「Google 広告のキャンペーン」などのレポート)が表示されることがあります。
| 主な指標 | 内容 |
|---|---|
| Google 広告のクリック数 | 広告がクリックされた回数(Google 広告のデータ) |
| Google 広告の費用 | 広告の費用(Google 広告のデータ) |
| Google 広告のクリック単価 | 1 クリックあたりの費用 |
| セッション、エンゲージメント率 | 広告から来たセッションの量と質(GA4 のデータ) |
| キーイベント、収益 | 広告から来たセッションの成果(GA4 のデータ) |
| 広告費用対効果(ROAS) | 収益 ÷ 広告費用 |
広告セクション
左メニューの「広告」には、次のようなレポートがあります。
| レポート | 内容 |
|---|---|
| すべてのチャネル(広告スナップショット) | チャネルごとのキーイベントの貢献の概要 |
| アトリビューション パス(コンバージョン経路) | 成果までの経路(第 7 部) |
| モデル比較など | アトリビューション モデルによる違い(表示される場合) |
広告から来たセッションの質を見る
GA4 で広告を見るときに特に役立つのが、クリックのあとの行動 です。Google 広告の管理画面では、クリック数やコンバージョン数はわかりますが、クリックしたユーザーがサイトでどう行動したかはわかりません。
- エンゲージメント率 が極端に低いキャンペーン:広告の訴求とランディング ページが合っていない、意図しない検索語句で表示されている
- セッションあたりの表示回数 が多いキャンペーン:関心の高いユーザーを集められている
- キーイベント率 の高いキーワード:予算を増やす価値がある
よくある質問
Q. Google 広告からのセッションが、Organic Search として記録されています。
A. 自動タグ設定が無効になっている、リダイレクトで gclid が消えている、GA4 と Google 広告がリンクされていない、のいずれかが多い原因です。広告の最終ページ URL を開いたときに、URL に gclid が付いたまま、ページが表示されるかを確認しましょう。
Q. 広告代理店が運用している Google 広告とリンクしたいのですが、権限がありません。
A. リンクには、GA4 の編集者以上と、Google 広告の管理者の権限が必要です。代理店に、Google 広告の管理者の権限を一時的に付与してもらうか、代理店の担当者に GA4 の編集者の権限を付与して、代理店側でリンクの操作をしてもらいます。作業が終わったら、不要になった権限を見直しましょう(第 2 部)。
Q. GA4 からインポートしたコンバージョンと、Google 広告のタグのコンバージョンは、両方使ってもよいですか。
A. 同じ成果(たとえば問い合わせ)を、GA4 のインポートと、Google 広告のタグの両方でコンバージョンにすると、二重に数えられ、自動入札が誤った学習をすることがあります。同じ成果は、どちらか一方だけを「主要な」コンバージョン アクションにし、もう一方は「二次的」にするなど、使い分けましょう。
Q. GA4 の広告の費用と、Google 広告の管理画面の費用が少し違います。
A. 期間やタイムゾーン、通貨の換算、データの更新のタイミングの違いで、わずかな差が出ることがあります。費用の正確な値は、Google 広告の管理画面の値を使いましょう。
実践ワーク
自社の Google 広告と GA4 の連携の状態を、次のチェックリストで確認してみましょう。
- GA4 の「Google 広告のリンク」に、運用しているすべての Google 広告アカウントがリンクされている
- Google 広告の自動タグ設定が有効になっている
- 広告のリンク先の URL で、
gclidが消えずに表示される - GA4 のトラフィック獲得で、
google / cpcのセッションが記録されている - 重要なキーイベントが、Google 広告にインポートされている(または Google 広告のタグで計測されている)
- 同じ成果が、二重にコンバージョンとして数えられていない
- 広告の配信に使う GA4 のオーディエンスが、Google 広告のオーディエンス マネージャーに表示されている
チェックが付かなかった項目は、この章の手順を見直して設定しましょう。
まとめ
- GA4 と Google 広告をリンクすると、広告の詳細なデータと費用を GA4 で見られ、キーイベントとオーディエンスを Google 広告で使える
- 自動タグ設定(gclid)を必ず有効にし、リダイレクトでパラメータが消えないようにする
- GA4 のキーイベントを Google 広告にインポートすると、入札の最適化に使える。数え方の違いで数値は一致しない
- GA4 のオーディエンスで、カゴ落ちや検討中のユーザーに広告を配信できる
- GA4 では、広告のクリックのあとの行動(エンゲージメント、回遊、成果)を見て、キャンペーンの質を評価する
次の章では、Search Console と GA4 を連携して、検索クエリとサイト内の行動を組み合わせた SEO の分析を学びます。