8.3 Google 広告との連携

広告データとサイト内行動をつなげて評価します。
実践書籍換算 約 12 ページ

この章で学ぶこと

  • GA4 と Google 広告をリンクする手順
  • 自動タグ設定の仕組みと重要性
  • GA4 のキーイベントを Google 広告にインポートする方法
  • GA4 のオーディエンスを Google 広告の配信に使う方法
  • GA4 の広告レポートの読み方

リンクの設定

GA4 と Google 広告を リンク すると、広告のデータとサイト内の行動のデータをつなげて分析できるようになります。

リンクでできること

できること内容
広告の詳細なデータを GA4 で見るキャンペーン、広告グループ、キーワード、検索語句などを GA4 のレポートで見られる
広告の費用を GA4 で見るクリック数、費用、クリック単価、ROAS などを GA4 で見られる
キーイベントを Google 広告に送るGA4 のキーイベントを、Google 広告のコンバージョンとして使える
オーディエンスを Google 広告に送るGA4 で作ったオーディエンスに、広告を配信できる

リンクの手順

  1. GA4 の管理画面の「サービス間のリンク設定」→「Google 広告のリンク」を開く
  2. 「リンク」を押す
  3. 「Google 広告アカウントを選択」で、リンクしたい Google 広告のアカウントを選ぶ
  4. 設定を確認する
    • パーソナライズド広告を有効化:GA4 のオーディエンスを広告の配信に使う場合はオン
    • 自動タグ設定を有効にする:オンにする(次の節)
  5. 「送信」を押す

注意 リンクするには、GA4 のプロパティで 編集者以上、Google 広告のアカウントで 管理者 の権限が必要です。広告代理店が Google 広告を運用している場合は、代理店の担当者と協力して設定しましょう。

自動タグ設定

自動タグ設定 は、Google 広告の広告がクリックされたときに、リンク先の URL に gclid(Google Click Identifier)というパラメータを自動的に付ける仕組みです。

https://www.example.co.jp/lp/?gclid=Cj0KCQjw...

GA4 は、この gclid をもとに、そのクリックがどのキャンペーン・広告グループ・キーワードのものかを、Google 広告のデータから判定します。

自動タグ設定が重要な理由

自動タグ設定GA4 での見え方
有効google / cpc として判定され、キャンペーンや広告グループ、キーワードの詳細もわかる
無効(UTM もなし)google / organic(自然検索)として誤って判定されることがある
無効(手動の UTM あり)UTM の値で判定されるが、広告グループやキーワードなどの詳細は取得しにくい

自動タグ設定は、Google 広告の管理画面の「アカウント設定」で確認・変更できます。GA4 とのリンクの際にも有効にできます。

自動タグ設定の注意点

  • gclid が消えないようにする:リンク先のページで、リダイレクト(転送)によって URL のパラメータが消えると、gclid が GA4 に届かない。リダイレクトがある場合は、パラメータを引き継ぐ設定にする
  • 手動の UTM との併用:自動タグ設定と手動の UTM の両方がある場合、既定では自動タグ設定(gclid)が優先される。特別な理由がなければ、Google 広告に手動の UTM は付けない(前々章)

キーイベントのインポート

GA4 のキーイベントを Google 広告に インポート すると、Google 広告の コンバージョン として使えます。

インポートのメリット

  • GA4 と Google 広告で、同じ定義の成果を使える
  • Google 広告の自動入札(コンバージョン数の最大化、目標 CPA など)で、GA4 のキーイベントを目標にできる
  • Google 広告のタグ(コンバージョン タグ)を別に設置しなくても済む場合がある

インポートの手順

  1. Google 広告の管理画面で、「目標」→「コンバージョン」→「概要」を開く
  2. 「+ コンバージョン アクションを作成」を押す
  3. 「インポート」→「Google アナリティクス 4 プロパティ」→「ウェブ」(またはアプリ)を選ぶ
  4. インポートしたい GA4 のキーイベントを選ぶ
  5. 「インポートして続行」を押す

GA4 のキーイベントと Google 広告のコンバージョンの数が違う理由

インポートしても、GA4 のキーイベントの数と、Google 広告のコンバージョンの数は、多くの場合一致しません。

違いの原因GA4Google 広告
対象すべてのチャネルのキーイベントGoogle 広告のクリック(や表示)に紐づくコンバージョン
日付の基準キーイベントが発生した日広告がクリックされた日
アトリビューションGA4 のアトリビューション設定Google 広告のコンバージョン アクションの設定
ビュースルー一部を除き含まない設定によって含む(広告を見ただけで、あとから成果に至った場合)
反映のタイミング処理に数時間〜インポートの処理にさらに時間がかかる

ポイント 「GA4 と Google 広告で数が合わない」のは、多くの場合、上の表のような 数え方の違い によるものです。どちらが正しいかではなく、目的に応じて使い分けましょう。広告の入札の最適化には Google 広告の数値を、チャネル全体の比較には GA4 の数値を使うのが一般的です。

GA4 オーディエンスで配信する

GA4 で作った オーディエンス(第 6 部)は、Google 広告とリンクしていれば、Google 広告の配信の対象(リマーケティング リストなど)として使えます。

設定の流れ

  1. GA4 で、配信したいオーディエンスを作る(例:カゴ落ちユーザー、料金ページを見たが問い合わせていないユーザー)
  2. GA4 と Google 広告のリンクで、「パーソナライズド広告を有効化」をオンにしておく
  3. GA4 のオーディエンスが、Google 広告の「オーディエンス マネージャー」に自動的に共有される
  4. Google 広告のキャンペーンや広告グループで、そのオーディエンスを配信の対象に設定する

オーディエンスの活用例

オーディエンス広告の例
カゴ落ちユーザー(7 日)カートに入れた商品の広告、送料無料のクーポン
料金ページを見たが問い合わせていないユーザー(30 日)導入事例や無料相談の案内
購入者(540 日)関連商品の案内、リピート購入の促進。または新規顧客獲得の広告から除外する
予測:7 日以内に購入する可能性が高いユーザー入札を強める

注意 オーディエンスが Google 広告で使えるようになるまでには、時間がかかります(共有の処理に最大 24〜48 時間程度、さらに配信に必要な人数が集まるまでの期間)。キャンペーンの開始の前に、余裕をもってオーディエンスを作っておきましょう。また、配信先のネットワークによって、必要な最低人数が決まっています。

広告レポートの読み方

GA4 と Google 広告をリンクすると、GA4 で広告の成果を確認できるようになります。

Google 広告のレポート

「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」や「ユーザー獲得」のディメンションを、「セッションの Google 広告のキャンペーン」などに切り替えると、Google 広告のキャンペーンごとの成果を見られます。

また、「集客」の中に、Google 広告のキャンペーンや広告グループ、キーワード、検索語句ごとの成果をまとめたレポート(「Google 広告のキャンペーン」などのレポート)が表示されることがあります。

主な指標内容
Google 広告のクリック数広告がクリックされた回数(Google 広告のデータ)
Google 広告の費用広告の費用(Google 広告のデータ)
Google 広告のクリック単価1 クリックあたりの費用
セッション、エンゲージメント率広告から来たセッションの量と質(GA4 のデータ)
キーイベント、収益広告から来たセッションの成果(GA4 のデータ)
広告費用対効果(ROAS)収益 ÷ 広告費用

広告セクション

左メニューの「広告」には、次のようなレポートがあります。

レポート内容
すべてのチャネル(広告スナップショット)チャネルごとのキーイベントの貢献の概要
アトリビューション パス(コンバージョン経路)成果までの経路(第 7 部)
モデル比較などアトリビューション モデルによる違い(表示される場合)

広告から来たセッションの質を見る

GA4 で広告を見るときに特に役立つのが、クリックのあとの行動 です。Google 広告の管理画面では、クリック数やコンバージョン数はわかりますが、クリックしたユーザーがサイトでどう行動したかはわかりません。

  • エンゲージメント率 が極端に低いキャンペーン:広告の訴求とランディング ページが合っていない、意図しない検索語句で表示されている
  • セッションあたりの表示回数 が多いキャンペーン:関心の高いユーザーを集められている
  • キーイベント率 の高いキーワード:予算を増やす価値がある

よくある質問

Q. Google 広告からのセッションが、Organic Search として記録されています。

A. 自動タグ設定が無効になっている、リダイレクトで gclid が消えている、GA4 と Google 広告がリンクされていない、のいずれかが多い原因です。広告の最終ページ URL を開いたときに、URL に gclid が付いたまま、ページが表示されるかを確認しましょう。

Q. 広告代理店が運用している Google 広告とリンクしたいのですが、権限がありません。

A. リンクには、GA4 の編集者以上と、Google 広告の管理者の権限が必要です。代理店に、Google 広告の管理者の権限を一時的に付与してもらうか、代理店の担当者に GA4 の編集者の権限を付与して、代理店側でリンクの操作をしてもらいます。作業が終わったら、不要になった権限を見直しましょう(第 2 部)。

Q. GA4 からインポートしたコンバージョンと、Google 広告のタグのコンバージョンは、両方使ってもよいですか。

A. 同じ成果(たとえば問い合わせ)を、GA4 のインポートと、Google 広告のタグの両方でコンバージョンにすると、二重に数えられ、自動入札が誤った学習をすることがあります。同じ成果は、どちらか一方だけを「主要な」コンバージョン アクションにし、もう一方は「二次的」にするなど、使い分けましょう。

Q. GA4 の広告の費用と、Google 広告の管理画面の費用が少し違います。

A. 期間やタイムゾーン、通貨の換算、データの更新のタイミングの違いで、わずかな差が出ることがあります。費用の正確な値は、Google 広告の管理画面の値を使いましょう。

実践ワーク

自社の Google 広告と GA4 の連携の状態を、次のチェックリストで確認してみましょう。

  • GA4 の「Google 広告のリンク」に、運用しているすべての Google 広告アカウントがリンクされている
  • Google 広告の自動タグ設定が有効になっている
  • 広告のリンク先の URL で、gclid が消えずに表示される
  • GA4 のトラフィック獲得で、google / cpc のセッションが記録されている
  • 重要なキーイベントが、Google 広告にインポートされている(または Google 広告のタグで計測されている)
  • 同じ成果が、二重にコンバージョンとして数えられていない
  • 広告の配信に使う GA4 のオーディエンスが、Google 広告のオーディエンス マネージャーに表示されている

チェックが付かなかった項目は、この章の手順を見直して設定しましょう。

まとめ

  • GA4 と Google 広告をリンクすると、広告の詳細なデータと費用を GA4 で見られ、キーイベントとオーディエンスを Google 広告で使える
  • 自動タグ設定(gclid)を必ず有効にし、リダイレクトでパラメータが消えないようにする
  • GA4 のキーイベントを Google 広告にインポートすると、入札の最適化に使える。数え方の違いで数値は一致しない
  • GA4 のオーディエンスで、カゴ落ちや検討中のユーザーに広告を配信できる
  • GA4 では、広告のクリックのあとの行動(エンゲージメント、回遊、成果)を見て、キャンペーンの質を評価する

次の章では、Search Console と GA4 を連携して、検索クエリとサイト内の行動を組み合わせた SEO の分析を学びます。