8.4 Search Console との連携と SEO 分析

検索クエリとサイト内行動を組み合わせて SEO を改善します。
実践書籍換算 約 12 ページ

この章で学ぶこと

  • GA4 と Search Console をリンクする手順
  • クエリ レポートで検索キーワードを確認する方法
  • Google オーガニック検索レポートで、ページごとの検索の成果を確認する方法
  • リライト(記事の改善)の候補の見つけ方
  • GA4 と Search Console の数値が違う理由

リンクの設定

Google Search Console(サーチ コンソール)は、Google 検索での自社サイトの表示状況を確認できる、Google の無料ツールです。

GA4 では、ユーザーが どんなキーワードで検索して サイトに来たかは、ほとんどわかりません(検索エンジンがキーワードの情報を渡さないため)。Search Console と GA4 をリンクすると、検索での表示やクリックの情報 と、サイトに来てからの行動 を、GA4 の画面で組み合わせて見られるようになります。

ツールわかること
Search Console検索結果での表示回数、クリック数、クリック率、平均掲載順位、検索クエリ
GA4サイトに来てからの行動(エンゲージメント、回遊、キーイベント)
リンク後の GA4上の両方を、ランディング ページ単位で組み合わせて見られる

リンクの手順

  1. Search Console で、自社サイトのプロパティを登録し、所有権を確認しておく
  2. GA4 の管理画面の「サービス間のリンク設定」→「Search Console のリンク」を開く
  3. 「リンク」を押し、リンクする Search Console のプロパティを選ぶ
  4. リンクする GA4 のウェブ データストリームを選ぶ
  5. 「送信」を押す

注意 リンクするには、GA4 で 編集者以上、Search Console で 確認済みのサイト所有者 の権限が必要です。また、1 つの GA4 のウェブ データストリームにリンクできる Search Console のプロパティは 1 つです。

レポートの公開

リンクしたあと、Search Console のレポートは、初期状態では左メニューに表示されていないことがあります。その場合は、ライブラリ(第 5 部)で「Search Console」のコレクションを 公開 すると、左メニューに表示されます。

クエリ レポート

クエリ レポート(「Search Console」→「クエリ」)では、Google 検索で、どのキーワード(検索クエリ)で自社サイトが表示され、クリックされたかを確認できます。

指標内容
オーガニック Google 検索のクリック数検索結果でクリックされた回数
オーガニック Google 検索の表示回数検索結果に表示された回数
オーガニック Google 検索のクリック率クリック数 ÷ 表示回数
オーガニック Google 検索の平均掲載順位検索結果での平均の順位

クエリ レポートの読み方

状況考えられること対策の例
表示回数が多いのに、クリック率が低い検索結果のタイトルや説明文が魅力的でない、順位が低いタイトルや説明文(メタ ディスクリプション)を見直す
平均掲載順位が 4〜10 位あと少しで上位に入れる記事の内容を充実させる
想定していないクエリで表示されている新しいニーズの発見新しい記事を作る
自社の名前(指名検索)のクリックが多い認知が広がっている指名検索の推移を、ブランドの指標として追う

注意 クエリ レポートでは、検索クエリとサイト内の行動(エンゲージメントやキーイベント)を 直接 組み合わせることはできません。検索エンジンが、個々のユーザーがどのクエリで来たかの情報を渡していないためです。クエリの成果を見たいときは、次のランディング ページのレポートで、ページ単位で考えます。

Google オーガニック検索レポート

Google オーガニック検索のトラフィック レポート(「Search Console」→「Google オーガニック検索のトラフィック」)では、ランディング ページ ごとに、検索の指標と GA4 の指標を並べて見られます。

指標の出どころ指標
Search Consoleクリック数、表示回数、クリック率、平均掲載順位
GA4ユーザー数、エンゲージのあったセッション数、エンゲージメント率、平均エンゲージメント時間、キーイベント数、収益
例)
ランディング ページ        表示回数   クリック数  クリック率  平均掲載順位  エンゲージメント率  キーイベント
/blog/ga4-setup/          45,000     2,700       6.0%        4.2          72%               25
/blog/utm-guide/          38,000       760       2.0%        8.5          45%                3
/blog/bounce-rate/        12,000     1,080       9.0%        2.1          68%               12

(数値は例)

このレポートを使うと、「検索での見つけられやすさ(表示・順位・クリック率)」と「来てからの満足度(エンゲージメント・成果)」の両方で、ページを評価できます。

リライト候補の見つけ方

SEO の取り組みでは、新しい記事を作るだけでなく、既存の記事を改善する(リライトする)ことも重要です。Search Console と GA4 のデータを組み合わせると、効果の高いリライト候補を見つけられます。

パターン 1:表示されているのにクリックされない

条件表示回数が多い、クリック率が低い
原因の仮説タイトルや説明文が、検索した人の求めているものに合っていない
改善タイトルと説明文を、主なクエリに合わせて書き直す
確認クリック率が上がったか

パターン 2:あと少しで上位に入れる

条件平均掲載順位が 5〜15 位程度、表示回数がそれなりにある
原因の仮説内容が、上位の記事に比べて少し足りない
改善検索した人の疑問に、より詳しく答える内容を追加する。情報を最新にする
確認平均掲載順位とクリック数が改善したか

パターン 3:クリックされるのに読まれない

条件クリック数が多い、エンゲージメント率が低い
原因の仮説タイトルで期待させた内容と、記事の内容がずれている。冒頭で答えがわからない
改善記事の冒頭で結論を示す、タイトルと内容を合わせる
確認エンゲージメント率が上がったか

パターン 4:読まれるのに成果につながらない

条件エンゲージメント率が高い、キーイベントが少ない
原因の仮説記事から、問い合わせや商品への導線がない、または目立たない
改善記事の内容に関連する CTA(資料、相談、商品へのリンク)を追加する
確認キーイベントが増えたか

ポイント リライトの効果は、検索エンジンが記事を再評価するまで時間がかかるため、すぐには表れません。リライトした日を GA4 の注釈などに記録しておき、数週間〜数か月の単位で効果を確認しましょう。

GA4 と Search Console の数値差

Search Console の「クリック数」と、GA4 の「Organic Search のセッション数」は、多くの場合一致しません。主な理由は次のとおりです。

原因内容
数える対象が違うSearch Console は検索結果のクリック、GA4 はサイトで始まったセッション
計測の漏れ広告ブロッカーや同意の拒否で、GA4 で計測されない訪問がある
ページの読み込み前の離脱検索結果をクリックしても、ページが表示される前に戻ると、GA4 では計測されない
検索エンジンの範囲Search Console は Google だけ、GA4 の Organic Search は Yahoo!、Bing なども含む
タイムゾーンSearch Console は米国太平洋時間、GA4 はプロパティのタイムゾーン
データの集計Search Console は、プライバシー保護のため一部のクエリのデータを集計から除外している

注意 日本では Yahoo! JAPAN の検索も多く使われていますが、Yahoo! JAPAN の検索エンジンは Google の技術を使っているため、Search Console のデータには Yahoo! JAPAN の検索は含まれません。GA4 の Organic Search には、yahoo / organic として含まれます。

数値を比べるときは、完全に一致させようとせず、それぞれの推移の傾向が同じかどうか を確認しましょう。

よくある質問

Q. Search Console のレポートに、データが表示されません。

A. 次の点を確認しましょう。

確認すること内容
リンクの状態GA4 の「Search Console のリンク」の画面で、リンクが作成されているか
データストリームリンクしたウェブ データストリームが、実際に計測しているストリームか
レポートの公開ライブラリで、Search Console のコレクションを公開したか
反映の時間Search Console のデータは、数日遅れて反映される。リンクの直後はデータがないことがある
期間Search Console のデータは、リンクより前の期間も、Search Console が保持している範囲で表示できる場合がある。期間を変えて確認する

Q. クエリ レポートの合計のクリック数が、Search Console の画面より少ないです。

A. Search Console は、プライバシー保護のため、ごく少数の人しか検索していないクエリ(匿名化されたクエリ)を、クエリ別のデータから除外しています。そのため、クエリ別の行の合計は、サイト全体のクリック数より少なくなります。

Q. 特定のキーワードで、どれくらい問い合わせがあったかを知る方法はありませんか。

A. 自然検索では、個々のユーザーの検索クエリと、サイトでの行動を直接結びつけることはできません。代わりに、「そのキーワードで主に表示されているランディング ページ」の成果を見る方法が現実的です。検索広告であれば、Google 広告とのリンクで、検索語句ごとの成果を見られます(前の章)。

Q. 平均掲載順位が上がったのに、クリック数が増えません。

A. 平均掲載順位は、表示されたクエリ全体の平均です。表示回数の少ないクエリで順位が大きく上がると、平均の順位は上がっても、クリック数への影響は小さくなります。また、検索結果に広告や地図、よくある質問などの枠が増えると、同じ順位でもクリック率が下がることがあります。クエリ別・ページ別に分けて確認しましょう。

実践ワーク

Google オーガニック検索のトラフィックのレポートを使って、リライトの候補の一覧を作ってみましょう。

  1. 期間を過去 3 か月にし、ランディング ページごとの表示回数、クリック率、平均掲載順位、エンゲージメント率、キーイベント数を表示する
  2. 表をスプレッドシートに書き出す
  3. この章の 4 つのパターン(クリックされない、あと少し、読まれない、成果につながらない)に、各ページを当てはめる
  4. 各パターンから 1 ページずつ選び、改善の内容と、確認する指標を書く
  5. リライトした日を記録し、1〜3 か月後に同じ指標を比べる
リライト計画の例
ページ:/blog/utm-guide/
パターン:クリックされない(表示回数 38,000、クリック率 2.0%)
改善:タイトルを「UTM パラメータの付け方|GA4 で流入元を正しく計測する方法」に変更
確認する指標:クリック率(目標 3.5%)
実施日:2026-11-01 確認日:2026-12-01

(数値は例)

まとめ

  • Search Console と GA4 をリンクすると、検索での表示・クリックと、サイトでの行動を組み合わせて見られる
  • クエリ レポートで、どの検索キーワードで表示・クリックされているかがわかる(キーワードと行動の直接の組み合わせはできない)
  • Google オーガニック検索レポートで、ランディング ページごとに、検索の指標と GA4 の指標を並べて評価する
  • 「クリック率が低い」「順位があと少し」「読まれない」「成果につながらない」の 4 パターンでリライト候補を探す
  • GA4 と Search Console の数値は一致しないのが普通で、推移の傾向で比べる

次の章では、SNS やメールの施策の効果を、GA4 で正しく評価する方法を学びます。