8.4 Search Console との連携と SEO 分析
この章で学ぶこと
- GA4 と Search Console をリンクする手順
- クエリ レポートで検索キーワードを確認する方法
- Google オーガニック検索レポートで、ページごとの検索の成果を確認する方法
- リライト(記事の改善)の候補の見つけ方
- GA4 と Search Console の数値が違う理由
リンクの設定
Google Search Console(サーチ コンソール)は、Google 検索での自社サイトの表示状況を確認できる、Google の無料ツールです。
GA4 では、ユーザーが どんなキーワードで検索して サイトに来たかは、ほとんどわかりません(検索エンジンがキーワードの情報を渡さないため)。Search Console と GA4 をリンクすると、検索での表示やクリックの情報 と、サイトに来てからの行動 を、GA4 の画面で組み合わせて見られるようになります。
| ツール | わかること |
|---|---|
| Search Console | 検索結果での表示回数、クリック数、クリック率、平均掲載順位、検索クエリ |
| GA4 | サイトに来てからの行動(エンゲージメント、回遊、キーイベント) |
| リンク後の GA4 | 上の両方を、ランディング ページ単位で組み合わせて見られる |
リンクの手順
- Search Console で、自社サイトのプロパティを登録し、所有権を確認しておく
- GA4 の管理画面の「サービス間のリンク設定」→「Search Console のリンク」を開く
- 「リンク」を押し、リンクする Search Console のプロパティを選ぶ
- リンクする GA4 のウェブ データストリームを選ぶ
- 「送信」を押す
注意 リンクするには、GA4 で 編集者以上、Search Console で 確認済みのサイト所有者 の権限が必要です。また、1 つの GA4 のウェブ データストリームにリンクできる Search Console のプロパティは 1 つです。
レポートの公開
リンクしたあと、Search Console のレポートは、初期状態では左メニューに表示されていないことがあります。その場合は、ライブラリ(第 5 部)で「Search Console」のコレクションを 公開 すると、左メニューに表示されます。
クエリ レポート
クエリ レポート(「Search Console」→「クエリ」)では、Google 検索で、どのキーワード(検索クエリ)で自社サイトが表示され、クリックされたかを確認できます。
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| オーガニック Google 検索のクリック数 | 検索結果でクリックされた回数 |
| オーガニック Google 検索の表示回数 | 検索結果に表示された回数 |
| オーガニック Google 検索のクリック率 | クリック数 ÷ 表示回数 |
| オーガニック Google 検索の平均掲載順位 | 検索結果での平均の順位 |
クエリ レポートの読み方
| 状況 | 考えられること | 対策の例 |
|---|---|---|
| 表示回数が多いのに、クリック率が低い | 検索結果のタイトルや説明文が魅力的でない、順位が低い | タイトルや説明文(メタ ディスクリプション)を見直す |
| 平均掲載順位が 4〜10 位 | あと少しで上位に入れる | 記事の内容を充実させる |
| 想定していないクエリで表示されている | 新しいニーズの発見 | 新しい記事を作る |
| 自社の名前(指名検索)のクリックが多い | 認知が広がっている | 指名検索の推移を、ブランドの指標として追う |
注意 クエリ レポートでは、検索クエリとサイト内の行動(エンゲージメントやキーイベント)を 直接 組み合わせることはできません。検索エンジンが、個々のユーザーがどのクエリで来たかの情報を渡していないためです。クエリの成果を見たいときは、次のランディング ページのレポートで、ページ単位で考えます。
Google オーガニック検索レポート
Google オーガニック検索のトラフィック レポート(「Search Console」→「Google オーガニック検索のトラフィック」)では、ランディング ページ ごとに、検索の指標と GA4 の指標を並べて見られます。
| 指標の出どころ | 指標 |
|---|---|
| Search Console | クリック数、表示回数、クリック率、平均掲載順位 |
| GA4 | ユーザー数、エンゲージのあったセッション数、エンゲージメント率、平均エンゲージメント時間、キーイベント数、収益 |
例)
ランディング ページ 表示回数 クリック数 クリック率 平均掲載順位 エンゲージメント率 キーイベント
/blog/ga4-setup/ 45,000 2,700 6.0% 4.2 72% 25
/blog/utm-guide/ 38,000 760 2.0% 8.5 45% 3
/blog/bounce-rate/ 12,000 1,080 9.0% 2.1 68% 12
(数値は例)
このレポートを使うと、「検索での見つけられやすさ(表示・順位・クリック率)」と「来てからの満足度(エンゲージメント・成果)」の両方で、ページを評価できます。
リライト候補の見つけ方
SEO の取り組みでは、新しい記事を作るだけでなく、既存の記事を改善する(リライトする)ことも重要です。Search Console と GA4 のデータを組み合わせると、効果の高いリライト候補を見つけられます。
パターン 1:表示されているのにクリックされない
| 条件 | 表示回数が多い、クリック率が低い |
|---|---|
| 原因の仮説 | タイトルや説明文が、検索した人の求めているものに合っていない |
| 改善 | タイトルと説明文を、主なクエリに合わせて書き直す |
| 確認 | クリック率が上がったか |
パターン 2:あと少しで上位に入れる
| 条件 | 平均掲載順位が 5〜15 位程度、表示回数がそれなりにある |
|---|---|
| 原因の仮説 | 内容が、上位の記事に比べて少し足りない |
| 改善 | 検索した人の疑問に、より詳しく答える内容を追加する。情報を最新にする |
| 確認 | 平均掲載順位とクリック数が改善したか |
パターン 3:クリックされるのに読まれない
| 条件 | クリック数が多い、エンゲージメント率が低い |
|---|---|
| 原因の仮説 | タイトルで期待させた内容と、記事の内容がずれている。冒頭で答えがわからない |
| 改善 | 記事の冒頭で結論を示す、タイトルと内容を合わせる |
| 確認 | エンゲージメント率が上がったか |
パターン 4:読まれるのに成果につながらない
| 条件 | エンゲージメント率が高い、キーイベントが少ない |
|---|---|
| 原因の仮説 | 記事から、問い合わせや商品への導線がない、または目立たない |
| 改善 | 記事の内容に関連する CTA(資料、相談、商品へのリンク)を追加する |
| 確認 | キーイベントが増えたか |
ポイント リライトの効果は、検索エンジンが記事を再評価するまで時間がかかるため、すぐには表れません。リライトした日を GA4 の注釈などに記録しておき、数週間〜数か月の単位で効果を確認しましょう。
GA4 と Search Console の数値差
Search Console の「クリック数」と、GA4 の「Organic Search のセッション数」は、多くの場合一致しません。主な理由は次のとおりです。
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| 数える対象が違う | Search Console は検索結果のクリック、GA4 はサイトで始まったセッション |
| 計測の漏れ | 広告ブロッカーや同意の拒否で、GA4 で計測されない訪問がある |
| ページの読み込み前の離脱 | 検索結果をクリックしても、ページが表示される前に戻ると、GA4 では計測されない |
| 検索エンジンの範囲 | Search Console は Google だけ、GA4 の Organic Search は Yahoo!、Bing なども含む |
| タイムゾーン | Search Console は米国太平洋時間、GA4 はプロパティのタイムゾーン |
| データの集計 | Search Console は、プライバシー保護のため一部のクエリのデータを集計から除外している |
注意 日本では Yahoo! JAPAN の検索も多く使われていますが、Yahoo! JAPAN の検索エンジンは Google の技術を使っているため、Search Console のデータには Yahoo! JAPAN の検索は含まれません。GA4 の Organic Search には、
yahoo / organicとして含まれます。
数値を比べるときは、完全に一致させようとせず、それぞれの推移の傾向が同じかどうか を確認しましょう。
よくある質問
Q. Search Console のレポートに、データが表示されません。
A. 次の点を確認しましょう。
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| リンクの状態 | GA4 の「Search Console のリンク」の画面で、リンクが作成されているか |
| データストリーム | リンクしたウェブ データストリームが、実際に計測しているストリームか |
| レポートの公開 | ライブラリで、Search Console のコレクションを公開したか |
| 反映の時間 | Search Console のデータは、数日遅れて反映される。リンクの直後はデータがないことがある |
| 期間 | Search Console のデータは、リンクより前の期間も、Search Console が保持している範囲で表示できる場合がある。期間を変えて確認する |
Q. クエリ レポートの合計のクリック数が、Search Console の画面より少ないです。
A. Search Console は、プライバシー保護のため、ごく少数の人しか検索していないクエリ(匿名化されたクエリ)を、クエリ別のデータから除外しています。そのため、クエリ別の行の合計は、サイト全体のクリック数より少なくなります。
Q. 特定のキーワードで、どれくらい問い合わせがあったかを知る方法はありませんか。
A. 自然検索では、個々のユーザーの検索クエリと、サイトでの行動を直接結びつけることはできません。代わりに、「そのキーワードで主に表示されているランディング ページ」の成果を見る方法が現実的です。検索広告であれば、Google 広告とのリンクで、検索語句ごとの成果を見られます(前の章)。
Q. 平均掲載順位が上がったのに、クリック数が増えません。
A. 平均掲載順位は、表示されたクエリ全体の平均です。表示回数の少ないクエリで順位が大きく上がると、平均の順位は上がっても、クリック数への影響は小さくなります。また、検索結果に広告や地図、よくある質問などの枠が増えると、同じ順位でもクリック率が下がることがあります。クエリ別・ページ別に分けて確認しましょう。
実践ワーク
Google オーガニック検索のトラフィックのレポートを使って、リライトの候補の一覧を作ってみましょう。
- 期間を過去 3 か月にし、ランディング ページごとの表示回数、クリック率、平均掲載順位、エンゲージメント率、キーイベント数を表示する
- 表をスプレッドシートに書き出す
- この章の 4 つのパターン(クリックされない、あと少し、読まれない、成果につながらない)に、各ページを当てはめる
- 各パターンから 1 ページずつ選び、改善の内容と、確認する指標を書く
- リライトした日を記録し、1〜3 か月後に同じ指標を比べる
リライト計画の例
ページ:/blog/utm-guide/
パターン:クリックされない(表示回数 38,000、クリック率 2.0%)
改善:タイトルを「UTM パラメータの付け方|GA4 で流入元を正しく計測する方法」に変更
確認する指標:クリック率(目標 3.5%)
実施日:2026-11-01 確認日:2026-12-01
(数値は例)
まとめ
- Search Console と GA4 をリンクすると、検索での表示・クリックと、サイトでの行動を組み合わせて見られる
- クエリ レポートで、どの検索キーワードで表示・クリックされているかがわかる(キーワードと行動の直接の組み合わせはできない)
- Google オーガニック検索レポートで、ランディング ページごとに、検索の指標と GA4 の指標を並べて評価する
- 「クリック率が低い」「順位があと少し」「読まれない」「成果につながらない」の 4 パターンでリライト候補を探す
- GA4 と Search Console の数値は一致しないのが普通で、推移の傾向で比べる
次の章では、SNS やメールの施策の効果を、GA4 で正しく評価する方法を学びます。